ドローン墜落場所を10km先から特定 山岳救助の知見を応用したGPS要らずの探索システム:Japan Drone 2026(1/2 ページ)
建設現場で、ドローン活用は今や点検や測量の標準的な手法となりつつある。しかし、運用には「機体の紛失」や「墜落時の回収」というリスクが付きまとう。特に目視外飛行や山間部運用、災害時対応時には、墜落場所の特定が難しい。TEADは、山岳遭難救助サービスで活用しているドローン技術を転用し、GPSが届かない地形でも、10キロ先から機体の位置を特定できるシステムを開発した。
TEAD(テッド)は、「Japan Drone 2026」(会期:2026年6月3〜5日、幕張メッセ)で、超小型の発信器と専用受信機を使った墜落ドローンを探索するシステムを展示した。
墜落ドローンの探索ソリューションは、長年の山岳での遭難者捜索で培われたノウハウを凝縮し、確実な機体回収を実現する。機体の捜索時に、GPSの電波が不要なため山間部に代表される場所でも活用できるなど、多様な環境に対応した性能を備えている。
わずか11グラムの発信機が実現、GPSに依存しない「確実な捜索」
システムの核となるのは、ドローン本体に装着する超軽量かつ小型の発信機(ビーコン)だ。サイズは32×28×11ミリ(アンテナ80ミリ)で、重さは電池を含めて11グラムしかなく、ドローンの飛行性能やペイロードにほとんど影響を与えない。運用は極めてシンプルで、マジックテープなどで機体に固定し、スイッチを入れるだけで準備が完了する。
位置特定には、GPSの位置情報を必ずしも必要としない。標準的なモデルは信号を出し続ける発信機と、その電波をキャッチする専用の探索受信機で構成される。探索時には、920MHzの特定小電力無線を活用する受信機のアンテナを周囲に向け、受信する電波の強さと方向を頼りに機体を探し当てる。全方向放射方式を採用し、機体姿勢や墜落方向の影響を受けず安定した信号を発信する。
受信機には発信機までの距離や方向が表示されるため、それを手掛かりに信号発信ポイントに向かうことになる。
GPSを利用しないので、墜落地点の座標を地図上に示すことはできない。しかし、衛星との通信に電力を消費するGPSを使わない分、内蔵バッテリーが約2カ月も持ち、長期間の捜索が可能になる。墜落から数週間が経過しても、見つけ出すチャンスが残せることにもなる。
電波の特性を熟知した設計により、遮蔽(しゃへい)物の多い環境にも対応する。山間部の谷底や生い茂る木々の下など、GPS信号が遮断されたり、測位精度が著しく低下したりする場所でも、ビーコンの電波を直接捉え、“最後の1メートル”まで探索を続けられる。
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