地場コンの現場監督によるボトムアップ型DX、成功の第1歩は「仲間づくり」から:地場ゼネコンのDX(2/3 ページ)
建設DXを全社展開するには現場にどう根付かせるという視点が欠かせない。加和太建設は、若手社員の主体性を引き出す人材育成や失敗を許容する組織文化で定着を図ってきた。
施工DXの壁を崩し、挑戦を後押しした社長の提言
加和太建設のDX推進の背景には、挑戦や失敗を許容する組織風土がある。重田氏が転機として挙げるのが、現代表取締役 河田亮一氏から掛けられた「何で面白いと思ったことをやらないの?」という一言だった。
河田氏は異業種での勤務経験を経て加和太建設に入社し、現在は不動産開発や施設運営、まちづくりなど建設業の枠にとらわれない事業を展開している。
過去の重田氏は施工DXを進めたいという思いがありながら、「前例のないデジタル投資に対して確実な費用対効果を示せるか」「高額な初期投資に対し、経営陣に妥当性を納得させられるか」という確証が持てず、現場試行や導入提案へ踏み切れずにいた。特にICT施工の領域は、高額な機材やソフトウェアの調達が必要な一方で、現場へ定着するか、投資に見合う成果が得られるかといった導入効果を事前に示すのが難しい。しかし河田氏は、「本当にやりたいなら挑戦し、その必要性を自ら発信して周囲を納得させればいい」と背中を押した。
この言葉をきっかけに、重田氏は可能性を感じた技術はまず現場で検証し、効果を実感できれば自ら発信して周囲を巻き込むという姿勢に転換した。その一例がドローンだ。現場で有効性を検証し、成果を社内で共有したことで、本格導入への道が開けた。
成功も失敗も現場発で共有する
DXの社内浸透の取り組みとして、現在は、有志による不定期の勉強会に加え、月1回開かれる土木部の部門会議で事例を共有。社内メーリングリストも活用し、現場発のリアルな成功体験だけでなく、失敗事例も発信している。
重田氏は「効率化や生産性向上に効果があると分かれば、『予算は限られているが自分の現場でもやってみたい』といった相談が集まってくる。そのために話しかけやすい雰囲気づくりも心掛けている。使いやすく成果が出る技術であれば、自然に現場や他部署にも波及していく」と話す。
もちろん、試した結果、期待した効果が得られないこともある。それでも重田氏は「そこは反省して次に生かせばいい」と話す。失敗も受け入れて共有することで、挑戦する文化が定着してくのだと語る。
こうした組織文化を支えている要因の1つが、2024年に完成した新社屋だ。フリーアドレス制を採用し、他部署の取り組みが自然と目に入る環境を整えたことで、以前よりも部門の垣根を越えて声を掛け合いやすい雰囲気が醸成されている。
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