鹿島建設/竹中工務店ら、建設系廃プラの油化実証を完了 35%がリサイクル可能:サーキュラーエコノミー
鹿島建設、竹中工務店、日本通運、リファインバースグループ、あおぞら、三菱ケミカルが共同で進めてきた、建設現場から排出される廃プラのケミカルリサイクル実証事業が完了した。
鹿島建設は2026年6月2日、竹中工務店、日本通運、リファインバースグループ、あおぞら、三菱ケミカルの5社と共同で、建設現場から排出される廃プラスチックを油化して再利用する「ケミカルリサイクル技術」の実証実験を完了したと発表した。実証の結果、建設系廃プラの再資源化率向上とCO2排出量削減が可能だと確認した。
建設系廃プラは汚れや付着物が多いなど資源循環上のハードルが高く、現在は大部分が熱回収(サーマルリカバリー)や焼却、埋立処分されている。6社は今回、環境省の公募事業「2025年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業」の採択を受け実証実験を実施。廃プラを油化して再利用するケミカルリサイクル技術を建設系廃プラに適用する静脈系サプライチェーンを構築し、環境性/経済性の評価を実施した。
実証では、鹿島建設と竹中工務店が施工する東京都内6カ所の新築工事現場から排出された建設系廃プラ約55トンを回収。収集運搬の効率化検討として、日本通運のNRBOXを活用した運搬も試験的に実施した。リファインバースグループで油化に適したものを選別/集積した。その後、あおぞらが油化原料に加工し、三菱ケミカル茨城事業所の油化設備で再生油を製造し、データを収集した。
検証の結果、ケミカルリサイクルの適性に応じて建設系廃プラをステージ1〜3に区分できることが判明。ストレッチフィルムやエアキャップなど無色透明のステージ1と、PPバンドや発泡PSなど有色/印字/紙ありのステージ2に分類される全体の35%の廃プラは、現在の技術でケミカルリサイクルが可能だと分かった。また、ステージ3のうち、プラダン類やカラーコーンなどは技術対応や設備の追加によってケミカルリサイクルできる可能性があり、リサイクル率を50%まで高められると示唆された。
環境性の評価では、3カ月間の建設系廃プラ試験回収で得た実データをベースに、LCA(ライフサイクルアセスメント)による分析でCO2排出量を算出した。ステージ1と2に分類された建設系廃プラを再生油として再資源化する「ケミカルリサイクル導入シナリオ」と、固形燃料(RPF)化して熱回収する「現状シナリオ」を比較。建設系廃プラの35%をケミカルリサイクルした場合、現状シナリオと比べてCO2排出量を15%削減できることが判明した。
社会実装を想定した経済性評価では、設備の立地条件や処理規模などによっては、現在の産業廃棄物処理と同程度のコストでケミカルリサイクルを実施できる可能性があることも示された。
6社は今後、実証で得た知見を活用しながら、建設系廃プラのケミカルリサイクルの社会実装に向けた取り組みを推進する。
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