可搬型含水比測定装置「ガンスイチェッカー」を道路工事に適用、西松建設:製品動向
西松建設は、2022年に開発した近赤外線を利用して迅速に卓上測定する含水比測定装置を可搬型に改良し、自社施工現場に適用した。
西松建設は2026年4月24日、近赤外線を用いて土砂の含水比を迅速に測定できる可搬型装置「ガンスイチェッカー」を自社施工現場に適用したと発表した。
ガンスイチェッカーは、2022年に開発したボックス型の卓上測定用装置を改良し、小型化して屋外へ持ち運べる仕様としたもの。計測装置本体、データ記録/表示用PC、ポータブル電源の3点から成り、盛土場やダンプの荷台上で直接測定が可能となった。
事前に近赤外線の吸収率と含水比の関係を検量線として設定することで、土砂に装置を当ててボタンを押せば、2〜3秒で含水比を算出できる。結果はデータで記録、保存される。
ガンスイチェッカーは近赤外線の照射とカメラ撮影で測定を行うため、対象物に触れずに含水比を算出できる。取得データは面的に処理し、含水比の分布を2Dで可視化。土砂の不均一性に起因する含水率のばらつきを直感的に捉えられる。
実施工の建設現場で計測作業の省力化効果を確認
盛土工事では、搬入土砂の施工適合性を確認するために含水比測定が必要だが、主流の炉乾燥法は結果取得に約1日を要し、野外で直接測定する透過型のRI (ラジオアイソトープ)も計器の準備や運用負荷が大きいという課題があった。
西松建設は2024年4月から、自社施工の道路工事でガンスイチェッカーの試験運用を開始。現場での試行を重ねて装置の性能向上と運用方法の最適化を進めてきた。今回、実施工の建設現場で盛土材料の含水比測定に適用し、計測作業の省力化に効果があることを確認した。
今後は盛土工事での計測に加え、ベルトコンベヤー上を流れる地盤材料の全量管理などへの活用を見込んでいる。
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