音声AIで現場の安全管理と記録業務を高度化、東急建設とNTTソノリティが実証開始:AI
東急建設は、NTTソノリティと共同で、音声AIを活用して建設現場の安全管理水準向上と業務効率化を図る実証実験を開始した。
東急建設は2026年3月30日、NTTソノリティと共同で、建設現場に音声AIソリューションを導入し、朝礼や危険予知(KY)活動、職員安全打ち合わせ、協力会社間の作業間連絡調整における記録業務の効率化と、安全管理水準の高度化を図る実証実験を開始したと発表した。
両社は建設現場で交わされる打ち合わせ音声に着目し、NTTソノリティの新たな音声AIソリューションを活用。騒音対策技術を搭載した専用マイクと組み合わせ、建設現場特有の高騒音環境下で、高精度な音声収録ができるか検証する。収録した音声は自動でテキスト化し、生成AIが要約や評価、レポート作成までを一貫して処理。東急建設の現場業務に最適化した設定を行い、実用性を検証する。
実証では、音声AIソリューションの導入により、検証対象業務で音声を活用した記録の自動化ができるか確認する。従来は担当者が手作業で行っていた記録や整理、報告の各工程の大幅な効率化を見込んでいる。
また、未記録情報の資産化による安全向上を図る。記録されずに失われていた現場の音声情報をデジタルデータとして蓄積/活用し、安全管理の振り返りや若手教育に活用。AIが過去の事故事例を提示する機能を利用し、経験の浅い作業員でも具体的な安全指示を行いやすくなる。
さらに、朝礼や危険予知活動の内容をAIが評価/可視化する機能により、現場全体の安全意識の向上にも寄与する。会話内容が自動で記録/評価される仕組み自体が、作業所長や職長の行動変容を促す効果も期待される。
東急建設は実証実験の結果を踏まえ、NTTソノリティの音声AIシステムを建設現場へ順次導入する。今後、安全施工サイクルの全工程のデータ化を進めるとともに、外部システムとの連携や生成AIの高度化に取り組む。さらに、取り組みで得られた知見をもとに、ソリューションの外販を本格化し、ゼネコン各社に加え、製造業の生産工場やプラント、鉄道運輸分野など幅広い業界への展開を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AI:AIで生コンクリート打設時間を自動記録、飛島建設が新システム開発
飛島建設はアクシスウェアと共同で、建設現場の生コンクリート打設時間をAIで自動的に記録/管理するシステムを開発した。
xR:石神井川工事に採用、竹中土木も導入した「作る前に直す」リコーの設計検討VRサービス
建設業界でもVRやARなどのxRサービスが安全教育や内見、設計レビューなどで活用が進む中、リコージャパンはコスト増や工期延長に影響を与える「設計検討」にフォーカスしたVRサービスを提案する。BIM/CIMや点群をもとに生成したVR空間では、特許取得済みの独自インタフェースや音声入力、ツアー移動、VR酔い防止などの豊富な機能を備える。既に東急建設や竹中土木などが先行導入し、発注者含む関係者の情報共有や現場ライブ中継のVR監視などに活用した。
第10回 JAPAN BUILD TOKYO:遠隔通話を“資産”に変える! クアンドが現場の「暗黙知」をAIで議事録化
福岡県北九州市発スタートアップのクアンドは、遠隔コミュニケーションツール「SynQ Remote」の最新アップデートでAI議事録の機能を追加した。通話をその場限りで終わらせず、会話と写真をひも付けて記録し、要約や是正指示、報告書作成までを支援する。移動と事務作業の負荷を抑え、日常のやり取りを知見として蓄積するのが狙いだ。
AI:数百万件の資料から現場で瞬時に探し出す“AIアシスタント”、ショーボンド建設と燈が開発
ショーボンド建設と燈は、建設現場の業務効率化と技術継承を目的としたAIアシスタント「Archibs」を開発した。現場監督の社内資料の検索や資料作成を生成AIとの対話形式で支援する他、音声機能でキーボード操作が困難な現場での文字読み上げや会話のテキスト化が実現する。
AI:現場の監視業務を効率化 東洋建設が生成AI映像分析システムを開発
東洋建設は、生成AIを活用して工事現場のカメラ映像から現場の状況をリアルタイムに監視する「生成AI映像分析システム」を開発した。- FM:「AIの目」で建物死角の火煙検知 AI警備システム「AI Security asilla」がVer4.2に
アジラは、建物のAI警備システム「AI Security asilla」をVer4.2にアップデートさせた。新機能では、大規模商業施設やオフィスビルで防災の死角となる屋外や外構でも、既設カメラを「AIの目」として活用し、火災を早期に検知する「火煙検知」を追加した。
