顔認証でオフィスビル権限管理を一元化 三菱地所とNECが「ReconIDs」開発:FM
三菱地所とNECは業務提携契約を締結し、顔認証技術を活用した統合型権限管理システム「ReconIDs(レコナイズ)」を共同開発した。オフィスビルの共用部/専有部のセキュリティ権限管理を一元化し、ビル運営の効率化と高度化を図る。
三菱地所とNECは2026年3月5日、顔認証技術の活用を軸とした統合型権限管理システム「ReconIDs(レコナイズ)」を共同開発し、運用を開始したと発表した。オフィスビルの共用部と専有部のセキュリティ権限管理を一元化し、ビル所有者/管理会社やテナント企業の運用負荷を軽減しながら、セキュリティレベルと就業者の利便性向上を図る。
ReconIDsは、精度の高い顔認証技術を持つNECと、多数のオフィスビルの運営管理実績を持つ三菱地所が連携し、現場の運用課題に即した実用性と拡張性を兼ね備えたシステムとして開発した。
共用部のセキュリティを管理するビル所有者/管理会社がテナント企業ごとに一部の権限を付与することで、各企業が自社従業員の情報登録や管理を独自に行うことが可能になる。ビル管理者が個人情報を直接扱う必要がなくなり、プライバシー保護と管理業務負荷の軽減を両立する。
また、複数ビルのセキュリティを1つのアカウントで統合管理できる点も特徴だ。複数拠点を持つ企業は、ビルをまたいだ一括管理が可能になり、建物ごとに異なる権限情報を個別管理する必要がなくなる。
登録された顔情報や権限情報はクラウド上で高いセキュリティ環境のもと管理される。ネットワーク接続環境があれば遠隔からの登録や管理ができる他、利用者自身が顔写真を登録できる機能も備え、柔軟な運用を実現する。
三菱地所グループの標準的なセキュリティインフラとして活用へ
ReconIDsは、2025年10月から三菱地所プロパティマネジメント本社「丸の内仲通りビル」「丸の内二丁目ビル」の専有部セキュリティに先行導入され、実運用を開始している。顔認証による入退管理の利便性や権限付与の即時性などが利用者から評価されているという。
さらに2026年2月には三菱地所本社「大手町パークビルディング」とグループ社員向けオフィス「MIX丸の内」への導入も完了し、複数拠点をまたいだ運用を開始した。
今後は三菱地所グループが運営管理するビルへ順次導入し、グループ内の標準的なセキュリティインフラとして活用する方針だ。さらに2027年度以降の施設導入を想定した他社施設や外部テナントへの外販も推進して行く。
顔認証に加えて静脈認証など他の生体認証技術の導入も視野に入れ、オフィスだけでなく商業施設や複合施設など多様な空間への展開も検討していく。
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