「ゼノベ」第2号は日建設計後楽園ビル 銀行などと環境改修のファンド形成:ゼノベ
日本政策投資銀行や日建設計ら9社は、既存オフィスビルを環境改修する「ゼノベ(ゼロエネルギーリノベーション)」のプロジェクト第2号として、東京都文京区後楽1丁目にある築34年のオフィスビル「日建設計後楽園ビル」の改修工事に着工した。2027年5月の工事完了を予定し、オフィス部分でZEB-Oriented 水準(BEI=0.6以下)の達成と、運用時の実質消費エネルギー50%以上削減の「運用ZEB」を目指す。
日本政策投資銀行、DBJアセットマネジメント、日建設計、九州電力、芙蓉総合リース、みずほリース、三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行の9社は、既存オフィスビルの環境改修を推進する「ゼノベ(ゼロエネルギーリノベーション)」プロジェクト第2号で、東京都文京区後楽1丁目の「日建設計後楽園ビル」の改修工事に着工した。
ゼノベをサポートするファイナンス手法「ゼノベファイナンス」を推進
日建設計後楽園ビルは、飯田橋駅至近に位置し、SRC造地下1階地上8階建て、延べ床面積約6283平方メートル、基準階貸室面積565.8平方メートルのオフィスビルで、1992年3月に竣工した。
今回の改修では、オフィス部分のZEB-Oriented水準(BEI=0.6以下)と、運用時の実質エネルギー消費量50%以上削減を目指す「運用ZEB」を目標とする。窓の断熱性能向上など外皮改修を中心に空調負荷を低減する他、運用条件に応じた設備負荷の最適化を進める。
また、自然換気の活用など利用者の行動も取り入れる。涼しい季節には窓を開けて換気できる設計とし、自然換気を促すお知らせランプなどを設置する。1階にはテナント区画とオフィス専用ラウンジを整備。ラウンジは集中作業、飲食、打ち合わせ、イベントなど多用途で利用できる共用拠点とし、テナントのウェルビーイングや生産性向上につなげる。
ファイナンス面では、金融機関による資金供給の枠組み「ゼノベファイナンス」を活用し、総額65億円を集める。環境改修による温室効果ガス削減効果や建物価値の変化を可視化し、既存ビル改修を投資対象として成立させる仕組みの普及を図る。
ゼノベプロジェクトは、不動産分野のネットゼロに向けて既存ビルの環境改修モデルを構築する取り組みだ。2024年には、第1号案件で大阪府大阪市中央区「日建ビル1号館」の改修を実施した。今回は、民間金融機関をはじめとするレンダー/投資家が参画することで、既存ビルの脱炭素改修を「コスト」ではなく「投資」として成立させる市場形成を後押しする。
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