熟練技術者の大量退職で「技術継承に不安」9割超 「建設2025年問題」が突きつける現実:調査レポート(2/2 ページ)
BuildApp総合研究所は、団塊世代の大量退職による技術者不足と技術継承の危機(2025年問題)が、建設業界にどのような影響を与えているかを調査した。その結果、2025年問題を理解している人で、技術継承への不安を感じる人は、全体で9割超を占めた。背景には、「若手が定着しない/育たない」「技術継承の仕組みが不十分」「人手不足が深刻」といった複合的な要因が挙がった。
BIMやデジタルツールへの期待は二極化
不安を感じる層は「OJT」(52.7%)、「動画教材/マニュアル化」(39.0%)を重視する一方、不安を感じない層は「資格取得支援」(19.5%)を重視する傾向がある。従来型の「手に職、体で覚えろ」派と、標準化/デジタル化を進める派に分かれていることがうかがえる。
「BIMやデジタルツールは、技術継承に役立つ」と考える層は全体の69.3%で、教育時間不足やマニュアル化の遅れを課題視し、動画やICTで効率化を図ろうとしている。逆に「役立たない」と考える層は30.7%で、技術=職人の腕という認識が強く、デジタルでは身につかないと考える傾向もある。BuildAppのような建設DXツールには、“人が増えなくても質とスピードを落とさない現場”をデータで作り、生産性向上に貢献することが求められる。
企業や行政、社会に求めることの問いでは、企業には63.9%が賃金や待遇改善、行政には50.2%が建設業法改正による価格転嫁の義務化、社会に対しては60.5%が職人技術への理解と尊重を要望している。
特に社会に対しては、別質問でも「職人技術の価値が軽視されている」と感じる人が12.1%おり、大手メディアが建設業界を取り上げるのは事件や事故の時だけという風潮も一考する必要がある。
<調査概要>
調査元:BuildApp総合研究所
調査時期:2025年11月14〜21日
調査対象:全国の20代〜70代の建設産業従事者
サンプル数:1000人
調査手法:インターネット調査(PRIZMA/旧ゼネラルリサーチ)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「建設DXは半数以上がデジタル化に着手、BIM活用は設計以外で大幅増」野原グループが独自調査
BuildApp総合研究所は、75歳以上を迎える団塊世代の大量退職に伴う労働力不足(2025年問題)が迫る中、建設業界でDXの現状などを調査した。その結果、64.2%がデジタル化に着手し、31%が効果を実感していた。
「建設費高騰で発注者の6割が危機感、BIM活用は重要だがEIRは浸透していない」野原グループが独自調査
BuildApp総合研究所は、建設費高騰が続く中、建築主(工事発注会社)に対し、現在の危機感、BIM要件(EIR)提示の実態などを調査した。その結果、約6割が建設工事を取り巻く現状に危機感を抱き、建設プロジェクトの品質を落とさず、計画通りに実行するには、BIM活用で設計・施工の生産性向上が必要との回答が最多の3割超えとなった。
「建設2024年問題」後に働き方改革の“成果”はあったか? BuildApp総研がリサーチ
BuildApp総合研究所は、建設産業従事者を対象に、2024年に施行した時間外労働の上限規制から1年以上が経ち、働き方改革の“成果”は現場に届いたかをヒアリングした。結果をみると、人手不足は2024年問題以前よりも深刻さが増していると判明。解消の一手として外国人従業員の受け入れも一定進みつつある一方、在籍の進まない現場はまだまだ多く、受け入れに対する否定的な声も少なからず挙がった。
BuildAppを核に内装業界DXを目指す、野原HDの”施工BIM戦略”
BIMで建設プロセスを一元的なプラットフォームで一気通貫につなぎ、既存の建設プロセス変革を目指す、建材商社の野原ホールディングス。「第2回 建設DX展」では現在、特に注力している「BuildApp内装」と「BuildApp建具」をデモを交えて紹介した。
「施工ロボットに期待が集まる。BIM活用は費用や発注者の理解などが障壁に」建設デジタル技術の実態調査
BuildApp Newsが建設業界で課題解決を期待するデジタル技術の調査結果によると、建設RXコンソーシアムを中心にゼネコン各社の連携が進む「施工ロボット」に最も期待が集まった。一方で「BIM/CIM」は、大手ゼネコンとそれ以外で導入実態に差がみられ、導入費用や発注者から求められていないなどがネガティブ要因として挙がった。



