清水建設「東京木工場」建て替えプロジェクトが竣工 11棟を順次解体/移転、2棟に集約:プロジェクト
清水建設が2022年3月に着工した東京木工場の全面建て替えプロジェクトが、2026年2月19日に竣工した。
清水建設は2026年2月19日、東京都江東区木場の東京木工場の全面建て替えプロジェクトが竣工したと発表した。
既存施設群全11棟を順次解体、機能移転しながら、S造一部木造2階建ての「来客棟」(延べ床面積1354.26平方メートル)とS造一部木造3階建ての「工場棟」(延べ床面積3814.98平方メートル)を順次建設し、2棟に機能を集約した。
東京木工場は、1884(明治17)年に清水組の木材加工場として現在の場所に開設された。建て替え前の総延べ床面積は5555.45平方メートルで、工場や事務所棟など11棟の施設群で構成されていた。
2022年3月〜2023年7月の第1期工事で来客棟を建設。2023年8月〜2025年2月の第2期工事では、完成した来客棟を仮工場として活用しながら、工場棟を建設した。工場棟の完成後は分散していた工場機能を工場棟に移転/集約し、事務所の機能を本来の来客棟に移転した。2025年3月〜2026年1月の第3期工事では、エントランスとなる「森のギャラリー」や「体験の森」などの外構工事を行い、全ての建て替えプロジェクトが完了した。
主要2棟の耐震壁(構造壁)は木材で構成。工場棟にはCLT耐力壁を、来客棟には一般流通材を使用した高耐力木質面材壁を採用した。
工場棟の屋根架構(スパン15.9メートル)は、上弦材に集成材を用いたスリム耐火ウッド張弦梁、下弦材に鋼材を組み合わせ、上弦材の圧縮力と下弦材の引張力で無柱の大空間を実現した。来客棟の屋根架構(スパン10.8メートル)には、新開発の木質アーチ梁/千鳥継手システムを採用。中材を両側から挟み込む側材を千鳥状に配置し、クサビとビスのみで接合する。簡易な接合だが、明確な弱点を作らずに力を伝達する仕組み。一般流通材による均一部材の組み合わせにより、多様なスパンへの対応を可能にする。
新工場で使用した木材は、工場棟232立方メートル、来客棟95立方メートル、森のギャラリー59立方メートルの合計386立方メートル。
工場棟は1階を技術開発ゾーンとし、木材の精密加工できる多軸ロボットやNC(数値制御)加工機の他、プレス加工機、研磨機などの最新工作機械を備える。2〜3階は伝統技術ゾーンで、伝統の木工技術を活用し、製作から加工、組み立て、仕上げ、塗装、梱包まで一貫した作業が可能。伝統技術に加え、レーザー加工による細密加工にも対応する。
来客棟1階中央部は資料館とし、歌舞伎座の舞台や国立西洋美術館の丸柱と型枠、大阪・関西万博の大屋根リングの木組みなど、これまで手掛けてきた著名建築の内装を原寸で展示する。1階のマルチルームは木工教室などの木育イベントに対応するスペース。敷地内の緑豊かな体験の森は、木育の体験の場として活用する。
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