万博パビリオンの太陽光パネルをドローンで「空中回収」、EUREKAが約250枚を2日で撤去完了:ドローン
EUREKAは、万博の中東国家のパビリオンに設置されていた太陽光パネルを大型ウインチ付きドローンで回収した。高さの異なる十数棟の建物が入り組む足場設置が困難なパビリオンだったが、ドローンの「空中回収」により、2日間で全パネル約250枚の撤去を完了した。
EUREKA(エウレカ)は2026年2月3日、大阪・関西万博の中東大手国家パビリオンに設置されていた約250枚の太陽光パネルを大型ウインチ付きドローンを用いて回収したと発表した。足場設置が困難な複雑構造のパビリオンで、全パネルの撤去を2日間で完了したという。
建設業の5大管理基準(品質、原価、工期、安全、環境)を両立
太陽光パネルの回収プロジェクトは国土交通省の許可の下、プロジェクト主幹を務めたイタリアのグローバル建設会社RIMOND JAPANの承認を得て実施した。施工にはスカイシーカー、エイムとの強固なパートナーシップで実現した。
撤去作業では、1枚約23キロの太陽光パネルを大型ドローンで吊(つ)り上げ、クレーンが到達可能なエリアまで直接空輸した。足場設置が不要となり、工程が大幅に簡素化し、2日間での撤去が可能となった。その結果、品質、原価、工期、安全、環境の5項目で構成される建設業や製造業の管理指標を高い水準で満たした。
ドローンの電源管理は、半固体蓄電池を採用した大容量ポータブル蓄電池「SuperBaseV」を使用し、200V急速充電で運用。作業工程を短縮するとともに、CO2排出ゼロのカーボンニュートラルを達成した。建設現場で大型ドローンによる資材運搬を本格的に適用した試みは、EUREKAによれば日本初だという。
今回対象のパビリオンは、高さの異なる複数棟が入り組む伝統的都市構造を模した設計で、屋上に分散配置した太陽光パネルの撤去が課題だった。通常は各棟に足場を組み上げるが、周辺では他パビリオンの解体工事が同時進行する過密な現場状況にあり、作業空間や安全確保の面で制約が大きかった。
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