バックホウのドライブレコーダー動画から作業内容を自動分類/定量化するAIモデル構築 鹿島建設:AI
鹿島建設とプラスゼロは、建設現場で稼働するバックホウの作業内容を、動画から識別/分類し定量化するAIモデルを構築した。
鹿島建設とpluszero(プラスゼロ)は2026年1月20日、鹿島建設が施工する富山環境整備発注の「平等処分場建設工事」で、バックホウの作業内容をドライブレコーダーの動画から自動で分類し、定量化するAIモデルを共同で構築したと発表した。
造成工事では複数台のバックホウが掘削や積み込み、法面整形などの作業を担う。平等処分場建設工事では敷均や転圧作業も加わるため、バックホウによる土工作業の効率化が現場の生産性向上につながる。稼働効率の分析にはどの作業にどれだけの時間を要しているかを定量的にデータ化する必要があるが、実施には相当数の人員が必要で負担が大きいのが課題だった。
鹿島建設とプラスゼロは、バックホウ搭載ドライブレコーダーの動画に着目。各バックホウの作業内容をAIが識別/分類し定量化するモデルを構築した。
開発したAIモデルは、各バックホウの作業内容を「掘削」「積込」「敷均し」「転圧」「法面整形」「移動」「待機」「その他」の8つのカテゴリに分類し、定量化する。バックホウに搭載されたドライブレコーダーから動画データを取得し、AIモデルに取り込むことで、定量データを生成する。
誤分類を防止するため、熟練技術者の知見をモデルに適用し、誤りが発生しやすい特定パターンの補正や現実的に起こり得ない作業パターン(状態遷移)の排除などにより分類精度を高めた。
平等処分場建設工事では、最大20台のバックホウが稼働している。新モデルを使って現場の状況を解析し、その結果を基に、現場社員が最適な重機台数や配置を検討。現場全体の生産性向上に寄与した。
また、AIモデルによる作業分類と実際の作業内容との突き合わせによる分類精度の検証を実施。現場の生産性向上を目指すために改善の余地が大きい「待機」は97.1%、「敷均し」「転圧」「掘削」はそれぞれ約80%の精度で分類できていることを確認したという。
鹿島建設とプラスゼロは今後、新モデルを他の造成工事へも展開するため、教師データの蓄積と、分類精度の向上を図っていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
第10回 JAPAN BUILD TOKYO:費用対効果が見込める建設AIの伴走開発やopenBIM準拠のBIMコンサル、ONESTRUCTION
鳥取を拠点とする建設テック企業のONESTRUCTIONは、BIM/CIM導入から高度利用までを支援するコンサルティングサービスに加え、IFC運用の課題を解消するデータ品質管理ツール「OpenAEC」、AI活用による図面データ検索プラットフォームなど、現場の生産性向上に資するサービスを提供している。
第10回 JAPAN BUILD TOKYO:AI×iPhoneで現場の3D点群化から報告書作成までを効率化、One Technology Japan
現場を3D化した点群データは、工程管理や品質管理、維持管理などに活用できる利点がある。しかし、点群取得やその後の3D化の処理には知識や面倒な作業が必要だった。One Technology Japanの「insightScanX」は、iPhoneの3DスキャンとAI、ARの技術で、工事現場の品質管理や施工管理などを効率化するアプリだ。iPhoneを使った1度の現場スキャンで、点群、簡易的なBIM、平面図、写真などを取得し、3D空間内には不具合の箇所があった場合は位置と写真を付与できる。
2025年BUILT年間記事ランキング:“BIMの常識”を問い直す寄稿から万博ガンダムまで 2025年「BUILT」記事ランキング
2025年にBUILTで公開された閲覧ランキングTop10の記事を紹介し、この1年を振り返ります。
“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(37):i-Con2.0実現にはAI活用が不可欠 3つのオートメーション化を加速させるAI【土木×AI第37回】
国交省が進める「i-Construction 2.0」でも、AI活用が建設業の生産性向上を実現するための重要な要素技術となっています。今回は、i-Construction 2.0で標ぼうする3つの“オートメーション化”で、AIがもたらす可能性について土木学会の論文を引用しながら考察します。
電子ブックレット(BUILT):「AI×建設」ニュース10選 2025年度Q2(7〜9月)
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することでダウンロードできます。今回のブックレットは、2025年7〜9月の第2四半期にBUILTで公開したAI関連の注目ニュース10選です。
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025:東京メトロのトンネル保守DX ドローン×AI×行動解析で点検効率化と技術継承を実現
老朽化が進む東京メトロの地下鉄で、85%を占めるトンネル。維持管理は急務となっているが、狭小だったり、終電後の1.5〜2時間しか検査できなかったりなどの制約が多い。そこで東京メトロは、iPadアプリによる帳票レス化、非GPSドローンやAIの内製化で点検の効率化、さらに熟練技術者のノウハウを定量化するマルチモーダル分析など、保守DXの実現に向けて取り組んでいる。
第10回 JAPAN BUILD TOKYO:低価格のクラウドカメラと生成AIで現場管理の自動化をサポートする「ソラカメ」
ソラコムは、クラウド型カメラサービス「ソラカメ」を活用した建設現場や施設管理の業務効率化を支援している。低価格のカメラとクラウド録画、生成AIを用いた画像分析などを組み合わせ、安全管理の高度化や業務自動化を提案。単なる遠隔監視にとどまらないデータ活用型の現場DXを推進する。

