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生成AIが来訪者の声を「集合知」として可視化、街づくりに生かす 大阪・関西万博の技術を活用:AI
NTTアーバンソリューションズは、大阪・関西万博で培った「AIによる集合知生成」の技術と知見を活用し、生成AIを用いた街づくりに関する実証実験を実施している。
NTTアーバンソリューションズは2025年11月14日、生成AIを活用して地域の声を可視化し、街づくりに生かすための実証実験を大阪市内で開始したと発表した。大阪市中央区の難波宮跡公園「みんなのにわ」内に位置する商業施設「なノにわ」で、2025年11月8日から24日まで実施する。
大阪・関西万博で培った集合知生成技術を活用
実証は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の公式アプリ「EXPO2025 Personal Agent」で培った集合知生成の技術と知見を活用した取り組み。AIが来訪者の意見を集約し、「集合知:なノにわの未来像」として可視化し、都市開発や施設運営に活用する。集合知とは、多数の人の知識や経験を集約し、個人の知識を超えた知的成果を生み出すプロセスを指す。
実証実験の期間中、なノにわの来訪者を対象に「未来のなノにわ こうならいいな」と題したアンケートを実施し、自由な意見を収集する。集まった意見を生成AIを介して、画像や文章で「みんなが求める未来のなノにわ」として可視化。従来のアンケート手法では捉えきれなかった多様な声を取り込み、街づくりに反映させることで、来訪者や地域住民の「こうありたい」という思いの実現をめざす。
実証実験で得た成果は、今後の施設運営や難波宮跡公園や周辺のエリア整備に活用する予定。他地域への応用も視野に入れているという。
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