日本とシンガポールを結ぶ8000kmの光海底ケーブルを敷設、NECと米メタなど4社:プロジェクト
NECは、米Meta、ソフトバンク、アイ・ピー・エス、マレーシアのTM Technology Servicesの4社と、日本とシンガポールを結ぶ約8000キロの光海底ケーブルを敷設することで合意した。
NECは2025年9月24日、米Meta Platforms、ソフトバンク、アイ・ピー・エス、マレーシアのTM Technology Servicesの4社と、日本とシンガポールを結ぶ光海底ケーブル「Candle(キャンドル)」を敷設する契約を締結した。同時にインドネシアの通信サービス会社PT XLSmart Telecom Sejahteraとも、同様の契約を結んだ。
Candleは、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールを結ぶ、総延長約8000キロの光海底ケーブルで、2028年の運用開始を予定している。AIや5Gなどの普及によって急増するデータ通信需要に対し、インフラ拡充や冗長ルートの確保に寄与するという。
Candleは、アジア地域内で初めて24ファイバーペア構成(48心のファイバー数)を採用。これまで光海底ケーブルのシステムは多くても16〜20ファイバーペアだったが、今回24ファイバーペアを採用することで通信容量のさらなる大容量化が実現する。さらなる大容量かつ低遅延の通信インフラを構築し、活発化するアジア地域の通信需要に対応可能になる。
NEC Corporate SVP 兼 海洋システム事業部門長 植松智則氏は、「NECはアジア/太平洋地域で強みを有し、日本とシンガポールを結ぶ光海底ケーブルシステムのうち、本プロジェクトを含め、8件を担当している。海底ケーブルや中継器などの製造から、ルート設計、敷設工事、試験など全てを提供するシステムインテグレーターとして参画し、アジア地域の高信頼な通信環境の整備でデジタル経済の発展に貢献する」とコメントを寄せる。
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