特集
毎秒200万点を取得する3Dスキャナーと「ICT施工StageII」対応のショベル制御システム、トプコン:第7回 国際 建設・測量展(2/2 ページ)
点群データは、今や建設や土木のICT施工で欠かせないものとなっている。建物の点群データは、施工の後の保守や管理にも活用され始めている。トプコンの新しい地上型3Dレーザースキャナー「CR-P1」シリーズは、従来機比約16倍の高速スキャンで、毎秒200万点の点群を取得するフラグシップモデルだ。
施工履歴データの収集や記録が可能な「MC-Maxショベル」
マシンコントロール/マシンガイダンス関連では、国土交通省が提唱する「ICT施工StageII」に対応する「MC-Maxショベル」と「杭ナビショベル」を紹介した。ICT施工StageIIは、建機の位置情報や稼働状況、施工履歴などさまざまな施工データをリアルタイムに集約して、建設現場のデジタル化/見える化する取り組み。
MC-Maxショベルは、マシンコントロール/マシンガイダンスの新製品。MC-Maxショベルは、建機向けの位置情報/制御システムの新しいプラットフォーム「MC-X」を採用している。
新しいプラットフォームの採用で、現場に合わせて位置情報システムとして、GNSSまたはトータルステーションを選択可能になった。さらにバケットの刃先位置を正確に計測して施工履歴データを記録し、施工管理に活用すればリアルタイム化や高精度化、リモート管理も実現し、出来形検査が簡略化される。
また、チルトローテータ自動制御で、建機の移動を最小限に抑え、複雑な地形や法面の整形、狭小スペースでも効率よく高精度に施工できる。
MC-Xを導入したMC-Maxショベルには、10.1インチの大型ディスプレイ「GX-90」を採用。マルチタッチ対応で、拡大/縮小などの直感的な操作が可能になり、高い視認性で作業効率も向上する。
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