清水建設がCIMクラウド「KOLC+」を土木で全国展開 東京外環工事などでデジタルツインの情報共有:CIM(1/2 ページ)
清水建設は、BIM/CIMモデルや点群をクラウド上で統合して共有できる「KOLC+」を土木部門で全社展開することを決めた。これまでに東京外環の京葉ジャンクションや鶴ヶ峰駅付近の地下化などに導入し、CIMや点群を統合した3Dモデルによる情報共有で、「施工管理のデジタル化」を実現した実績が決め手になったという。
コルクは2025年8月21日、清水建設の土木部門で、BIM/CIMクラウド「KOLC+(コルクプラス)」の全国展開が開始されたと公表した。
CIMと点群を統合し、土木工事のデジタルツインを実現
清水建設の土木部門では、2023年2月からKOLC+の現場試行を始め、複数の大規模な土木工事(鉄道工事、高速道路工事、シールドトンネル工事、発電所工事など)で導入されてきた。
約2年の試行期間の中で、BIM/CIMモデルや点群、2D図面、現場写真、クラウドカメラ、GNSS、BoxデータなどをKOLC+で共有し、現場職員から高評価だった点と、クラウド上でデジタルツイン施工計画や施工管理の可能性、電子ワークフロー機能によるペーパーレス化の効果が得られたことから、今回の全国展開を決定したという。
清水建設の土木部門での事例としては、相模鉄道本線の西谷駅〜二俣川駅間地下化で、そのうち約300メートルを開削工法で、約1.9キロをシールド工法でトンネルを構築する工事に導入した。これまで3Dモデルの閲覧にかかっていた高額なソフトウェア使用料を閲覧検討だけであれば、KOLC+の高速プレビュー機能により、大幅に削減。登録者は発注者含め、約100人に達し、月平均のログイン利用者数が約500人と、3Dモデルさえあれば誰でも直感的に操作できる手軽さで、BIM/CIMの積極活用を実現している。
アップデートで追加されたGNSSモデル連携機能や3Dモデルからの体積計算、点群による土量計算などで、従来は専用ソフトが必要だった作業もKOLC+だけで完結するようになった。現場では今後、BIM/CIMモデルのような「静的情報」を持つデジタルツイン活用だけでなく、IoTセンサーや計測データ、重機/人の動き、日々の出来形といったリアルタイムの「動的情報」も統合し、より高度なデジタルツインの構築を目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.