新UI搭載の3次元計測基本プログラム「SDR5000」発売、トプコン:製品動向
トプコンは、専用トータルステーションとの組み合わせにより、既知点不要で座標を自由に設定でき、誰でも容易に超精密計測が行えるアプリケーション「SDR5000」を発売した。Android OSに対応し、大画面タブレットなどに最適化したユーザーインタフェースで、視認性と操作性が向上する。
トプコンは2025年7月31日、SOKKIAブランドの3次元計測システム「MONMOS(MONo MObile 3-D Station)」を制御する新しい3次元計測の基本プログラム「SDR5000」を日本国内向けに発売した。
MONMOSは、造船や車両製造などの工業計測分野から、橋梁(きょうりょう)、高層建築、プラントの精密な位置出しといった建設分野に至るまで幅広く活用されている。特に大型構造物の精密計測では、優れた性能と信頼性で高く評価されている。
今回リリースしたSDR5000は、OSにAndroidを採用。そのため、トプコンソキアポジショニングジャパンが販売するデータコレクター「SHC700」やAndroidタブレット「GX-10W」などの大画面端末に合わせ、ユーザーインタフェースも刷新し、操作性や視認性が大幅に向上した。マップ表示機能による直感的な操作に加え、スマートフォンのような軽快なレスポンスで快適な計測作業が実現する。
表示は、従来の数値一覧表示に加え、3Dまたは2Dマップ上でのビジュアル表示が可能。点間の距離や位置関係、設計データとの差分が一目で把握可能になり、現場での判断スピードと正確性が飛躍的にアップする。
使いやすさでは、CSV形式のデータ出力、計測点の削除や視準高の設定など、ユーザーの要望をもとに機能を強化した。CSV出力が可能になったことで、幅広い解析ソフトにも対応する。また、不要な点を事前に整理し、視準高に基づく鉛直方向の自動補正で解析作業がスムーズに行える。さらに、非等間隔の2点ターゲットにも応じるようになったことで、計測の自由度も上がった。
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