“除雪するルンバ”のような空を飛ばない陸上ドローン、Japan Drone 2025で最優秀賞:Japan Drone 2025(2/2 ページ)
雪国に住む人にとって、毎日の雪かきは身体的な負担になっている。エバーブルーテクノロジーズは、そうした重労働の除雪を人の代わりに行う自社開発の陸上ドローン(UGV)を提案する。2025年1月の発売以降、北海道や東北、北陸の歩道や駐車場で活躍しており、「Japan Drone 2025」の表彰では、従来の“空飛ぶドローン”とは異なる視点と実用性を持つユニークな製品と評価され、ハードウェア部門の最優秀賞を受賞した。
走破性に優れた4WDは、運搬や警備にも適用可能
4WD方式の除雪ドローンは、一般車のようにタイヤの向きによって移動方向を変えるわけではなく、左右輪の回転差動で行うスキッドステアリング方式。その場で回転できるゼロターンのため、最小回転半径は0.6メートル(ブレード装着時)と狭い場所でも小回りがきく。凹凸面のある悪路や不整地では、独自のローリング・リジッド・フレームで常に4輪を接地させて、段差200ミリを越える(ブレード非装着時)。
機体の基本スペックは最高速度が前進毎時6キロ/後進毎時6キロ(常温、平たん路)で、稼働時間は3時間(常温、平たん路、前進最高速度)、1時間あたりの作業面積は約500平方メートル(零度、平たん路毎時4キロで走行時)。
SRD-F11RCはJapan Drone 2025で、ドローン業界や次世代エアモビリティ業界の発展を奨励する目的とした「Japan Drone & AAM Awards2025」のハードウェア部門で最優秀賞を受賞している。
エバーブルーテクノロジーズでは、高い走行性能を備えた陸上ドローンのシリーズ展開も計画している。現在のラインアップは、機動警備ドローンと、荷物の運搬や車両のけん引用の陸上ドローン。機動警備ドローンは夜間の害獣や不審者対策などの無人警備用途に特化したモデルで、遠隔操作と自動運転が可能だ。
除雪ドローンは現在、受注生産による直販でユーザーに提供。今後は販売代理店や大手のレンタル業者との契約も見据え、より手軽に活用してもらう体制を整える。
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