Skydio X10専用ポートとドローン映像のコマ落ちを解消する通信技術を提案、NTT Com:Japan Drone 2025(2/2 ページ)
NTTコミュニケーションズは、2020年からSkydioのドローンを扱ってきた“ストラテジックパートナー”だ。Japan Drone 2025の出展ブースでは、ドローンの離発着を自動化する基地となる「Skydio Dock for X10」と、Skydioのドローンを使ったこれまでの運用実績を紹介した。また、ドローン飛行中の映像やデータをLTE通信で送信する際に、速度や安定性を確保する「パケット優先制御」も提案した。
セルラードローンの運用を支える強固な通信技術「パケット優先制御」
ブースでは、NTTコミュニケーションズのドローン向用通信テクノロジー「パケット優先制御」もアピールした。
近年のドローンは多様な用途で活用されており、特に広範囲の自律飛行ではドローンと基地局をつなぐ通信品質が重要視されている。
ドローンと基地局の通信状態が悪いと、ドローンのリアルタイム状態監視やカメラが捉えた現地の状況を明瞭に把握できない。災害後の被災地確認などでは、通信品質がその後の避難誘導や災害復旧を左右することがある。
対策としてNTTコミュニケーションズが提供するのが、飛行中のドローンに優先的にパケットを割り当てる「パケット優先制御」だ。今展の開幕前日となる2025年6月3日にリリースし、通信が混雑するエリアや時間帯でも通信の安定と速度向上が見込める。さらにパケット優先制御に加え、閉塞接続オプションを利用することで約5倍の通信速度が実現する。
パケット優先制御のサービスは、ドローンを対象とした通信サービス「LTE上空利用プラン」のオプションとして、2025年夏頃に提供を開始する予定だ。
2025年6月3日には、上空LTE通信のパケット優先制御とSkydio X10を用い、リアルタイムでのカメラ映像品質を検証したと発表。その結果、優先的にパケットを割り当てることで混雑エリアや時間帯でも、通信の安定化と速度向上を確認したという。
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