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水中/水面のリアルタイム情報を航行制御に活用できるか 都市型自動運転船「海床ロボット」の実証実験
竹中工務店が代表法人を務める海床ロボットコンソーシアムは、都市型自動運転船「海床ロボット」を使用して、大阪府内で水中/水面の環境データを航行制御に活用する実証実験を行った。
竹中工務店は2025年6月30日、代表法人を務める海床ロボットコンソーシアムが、都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」を使用して、大阪城公園の東外堀で水中/水面の環境データを航行制御に活用する実証実験を実施したと発表した。
海床ロボットコンソーシアムは、竹中工務店の他、東京海洋大学、IHI、水辺総研などが参加する共同プロジェクト。都市の水辺空間活用と新たな交通手段の提供を目的に、海床ロボットの開発を進めている。海床ロボットは純国産制御システムを搭載した自動運転船で、水面に浮かべた3メートル四方の床が自動で航行し、離着岸を行う。
実証実験は2021年度から継続する実証の第4弾として2025年6月18〜20日に実施。水中/水面の環境データの航行制御への活用可能性を検証した。実験では、超小型水上ドローン(海床ロボットMINI、MICRO)を使用して水質や水面の障害物を撮影し、リアルタイムで取得した情報を航行制御に活用できるか検討。また、マルチビームソナーを用いた水深マップの作成と、その情報を踏まえた航路設定の有効性を検証。さらに、陸上設置のLiDARによりロボットの正確な位置情報を補完し、活用できるか検証した。
コンソーシアムは、これらの水域情報可視化技術を航行制御に活用することで、より高精度な自動運転の実現を目指す。
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