中央開発のダム貯水池3Dマッピング技術「Nソナー」がNETISに登録:維持検査・点検
中央開発は、魚群探知機を用いたダム貯水池3Dマッピング技術「Nソナー」が、国土交通省NETISに登録されたことを発表した。ダム貯水池の堆砂状況の把握、土砂管理や、河川維持管理分野にも適用できる。
中央開発は2022年7月6日、魚群探知機を用いたダム貯水池3Dマッピング技術「Nソナー」が、国土交通省NETIS(新技術情報提供システム)に登録されたことを発表した。
Nソナーは、水面下や水中の状況を可視化できる全く新しい調査手法として,2018年5月に中央開発が考案した独自の技術だ。ダム貯水池の堆砂状況の把握、土砂管理に活用可能で、河川の河床の洗掘状況や水面下の河川構造物の状態を把握し、河川維持管理分野にも適用できる。
Nソナーの革新的な点は、「従来の深浅測量よりも安価で、短期間で成果を提供することで管理コストを縮減した点」「水域全体の3D地形モデル(DEM:数値標高モデル)をはじめ、底質区分図や超音波エコーなどの多彩な成果が提供できる点」「多様な水域において活用することができる点」の3つが挙げられる。
測線間隔は従来技術では200〜400メートルであったが、Nソナーでは25〜50メートル程度になり、計測点数は500〜800点から数万〜10万個に増加した。貯水量算出手法は平均断面法からメッシュ法に変更している。成果については従来、測線上の断面図のみからであったところ、Nソナーでは水域全体のDEMのほか、地形等高線図、底質分布図、水底反射画像、貯水容量も対応する。
Nソナーの点群データ取得は、乗船定員2〜3人の小型調査船に魚群探知機を搭載して水上を航行し、座標と水深を持つ点群データを取得する。GNSS電波を受信して得る測位記録と同期して記録・収集される超音波測深データを基に、湖底の三次元地形モデル(DEM)を作成するほか、水底現況を映像で可視化する。さらに、地形等高線図、3D鳥瞰図、縦横断面図などで出力する。
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