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空中と地上で飛ぶ、転がる、インキメーカーのDICがなぜ球体型ドローンを開発したか?:Japan Drone 2025(2/3 ページ)
化学メーカーDICは、転がって進み、空へ飛び立つ──そんな新しい動き方をする球体型ドローン「アガモスフィア」を開発した。ドローン業界では異色の存在ともいえる素材メーカーが、製品を通じて社会と直接つながる新方針「Direct to Society」を体現するドローンの機体開発に託した思いとはどのようなものか。
機体開発には、マルチコプター研究を行う徳島大学大学院 社会産業理工学研究部 機械科学系 准教授の三輪昌史氏、ドローン開発に実績のある菱田技研工業が参画し、産学連携による三者の技術を結集した。
アガモスフィアは、8基のプロペラを持ち、安定した水平/垂直飛行を実現する。現時点での飛行時間は約2分程度。機体全体を幾何学形状の丈夫な球体ガードで覆うことで、地上では転がって移動することも可能だ。
ブース担当者は、最大の特徴として「斜め45度に取り付けられたプロペラ構造」を挙げる。「飛行効率だけを考えれば一般的なドローンに劣るが、転がることを優先して設計となっている」と語る。
空中と地上の両方で移動できるという独自の特性を持つアガモスフィア。今後はその特性を生かし、ドローンレース、新しい映像表現といったエンターテインメント領域、パイプ内など従来の機器が入り込めない狭い空間での点検検査、災害現場での捜索といったさまざまな用途への展開が期待されている。
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