日本政府パビリオン「日本館」を見学! 佐藤オオキ氏と日建設計が循環社会の未来を具現化:大阪・関西万博(3/4 ページ)
日本政府が大阪・関西万博で出展するパビリオン「日本館」は、「日本型循環社会」をテーマに総合プロデュースを建築家の佐藤オオキ氏が担当し、基本設計と実施設計を日建設計が手掛け、円環状の構造体で“いのちのリレー”を表現した。外観の特徴は、円を描くように立ち並ぶ無数の「木の板」。主にCLTから成る板は、万博終了後に日本各地でリユースされる予定で、循環のコンセプトを象徴する存在だ。
光合成がつなぐ自然と技術の未来「ファームエリア」
「素材への循環」をテーマとしたファームエリアでは、藻類の多様性をユニークに紹介する。展示の主役は藻類とハローキティのコラボレーションで、展示スペースには32種類の藻類をモチーフにしたハローキティが登場する。それぞれ約1メートルの大きさで、縦4段、横4列に配置され、色とりどりの藻類が楽しく表現されている。
藻類には、日常的に目にするワカメやひじきのような種類から、顕微鏡でしか観察できない三角形、正12面体、四つ葉のクローバーに似た形状のものまで多岐にわたる。本展示では、こうした藻類の形状や機能をハローキティのかわいらしさと融合し、子どもから大人までが楽しみながら学べる。
藻類を活用した「フォトバイオリアクター」の展示では、未来の循環型社会の可能性を体感できる。合計178本、全長1457メートルのチューブを立体的に配置し、その中でスピルリナという藻類を培養。スピルリナは光合成によって酸素やデンプンを生成し、「有機物生産工場」の役割を果たす。
藻類が入った緑色のチューブが空間全体を彩り、太陽光の下で「藻類のカーテン」とも言える幻想的な空間を創出する。来場者は展示を通じて、藻類が持つ可能性と持続可能な社会への貢献を感じることができる。
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