超高層複合ビル「TODA BUILDING」開業、最新技術を取り入れた「芸術文化の発展拠点」の全貌:プロジェクト(3/4 ページ)
戸田建設が東京都中央区京橋一丁目で開発を進めてきた超高層複合ビル「TODA BUILDING」が開業した。「芸術/文化の形成」と「地域の防災力強化」をテーマに、隣接する街区と共同で、アートとビジネスが交錯する芸術文化の拠点として整備してきた。建物はコアウォール免震構造による国内トップレベルの耐震性能を実現し、「ZEB Ready」認証取得などの高い環境性能も備えている。
コアウォールが建物の心棒に 揺れと変形を大幅に低減
TODA BUILTDINGは、国内トップレベルの耐震性能を実現するためコアウォール免震構造を採用。1階床下に免震層(積層ゴム、弾性滑り支承、オイルダンパー)を設け、敷地面積の大部分を免震化することで、地震終了後の揺れを大幅に低減し、地震時の建物内外の安全性能を高めた。
上部構造は、コアウォールを建物中央に配置し、アウトリガー梁(はり)と免震梁を連結することで、高い耐震性能を確保。コアウォールが建物の心棒となり、揺れと変形を上層階まで大幅に低減する。耐震性能は建築基準法の規定と比較して1.5倍、オフィス階の地震時の揺れは100〜180gal(200gal以下は家具が転倒せずモニターが揺れる程度)。
大谷社長は「今回初めてコアウォールを施工し、設計、施工計画、工程上のさまざまなノウハウが必要だと分かった。需要があれば対応していける力は付いたと考えている」と話した。
環境性能については、ZEB Ready認証の他、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」の建築物環境性能評価で最高位のSランク認証を取得。さらに、環境認証システム「LEED」のGOLDランク、「DBJ Green Building(グリーンビルディング)認証」の取得も計画している。工事と竣工後のビル運用では再生可能エネルギー由来の電力を導入。建設資金の一部は、グリーンボンドで調達している。
災害などで電力供給が遮断された場合でも、コジェネレーションシステムと非常用発電機により、ビル共用部とテナント専用部に電力を供給する。空調が停止しても、自然換気により必要な換気量をまかなう設計だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.