優秀FM賞を受賞したNTT西の新本社プロジェクト コロナ禍を経て見い出した新FM戦略:ファシリティマネジメント フォーラム2024(1/3 ページ)
NTT西日本は、2018年からコロナ禍を経て4年がかりとなった本社移転プロジェクトで、通信設備の安全、社員の働きやすい環境、アセットの有効活用という3つの観点から、新たなFM戦略を立案して実践している。その取り組みが高く評価され、JFMA賞で「優秀FM賞」を受賞した。
NTT西日本は、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)主催の「ファシリティマネジメント フォーラム2024(第18回 日本ファシリティマネジメント大会)」で、「NTT西日本のFM戦略〜新本社PJを通じた新たな挑戦〜」の演目で講演した。
コロナ禍を経験し、ニューノーマルの時代にも対応する戦略的なオフィスを実現
新本社プロジェクトは、築約50年を経て老朽化した旧本社ビルに代わる新しいオフィスとして、NTTが大阪市都島区東野田町4丁目に持つ京橋敷地「NTT WEST i-CAMPUS」の「PRISM棟」と「NTT WEST i-CAMPUS B棟」に加え、新たに地上3階建てオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」、地上12階建て「NTT WEST i-CAMPUS A棟」の2棟をNTTファシリティーズの設計、竹中工務店の施工で建設した。2棟の建設により、竣工後の2021年度第4四半期からは京橋敷地には4棟のビルが建ち、ファシリティマネジメント(FM)としては一括で建物を管理している。
新本社の移転計画は2018年にスタートし、足かけ4年をかけて整備した。その間にはコロナ禍も起きたため、withコロナ/afterコロナの対策も検討し、要件の再定義も行われている。プロジェクトのうちFMの基本方針は、建物面でBCPなどの機能向上と敷地の容積率を最大活用することを目指した。事業面では新しい働き方への対応に加え、事業変革に挑むマインドセットの醸成、デジタル人材の育成と確保などが織り込まれた。
新しい働き方への対応では、出社することで得られるリアルなコミュニケーションとリモートワークによるメリットの双方を考慮した。その結果、バランスを取りながら、個人が働く場所や時間を柔軟に選べる“ハイブリッドワーク”を実現する環境を整備した。リアルなコミュニケーションとは、チームビルディング、ブレインストーミング、社外とのコラボレーション、育成(指導/相談)、偶発コミュニケーションなどと定義している。
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