ヤンマー建機が超小旋回機の新シリーズ発売、電子制御油圧システム採用で操作性向上:製品動向
ヤンマー建機は、電子制御油圧システムを採用した超小旋回機の新シリーズ「デルタ」2型式の販売を開始した。
ヤンマー建機は2024年10月17日、電子制御油圧システムを採用した超小旋回機の新シリーズ「デルタ(δ)」の販売を開始した。
今回新たに、バケット容量0.077立方メートルの「B3δ(型式:B3-7)」とバケット容量0.11立方メートルの「B4δ(型式:B4-7)」の2型式を発売。標準小売価格は、B3-7が803万円、B4-7が898万400円(いずれも税込み)。2モデル合計で年間1200台(B3-7が1000台、B4-7が200台)の販売を目指す。
電子制御油圧システムを採用、燃費/操作性が向上
デルタシリーズは「MAKE NEW STANDARD」をテーマに開発。従来機Σ(シグマ)シリーズが有する高い深掘り性能を踏襲しながら、新たに電子制御油圧システムを採用し、操作性を向上した。電子制御ジョイスティックがレバーの操作量を電気信号で感知し、ポンプコントロールバルブを制御することで、燃費の低減とスムーズな動作モードの切り替えが可能になった。作業に合わせ、ワンプッシュで3つのモード(スタンダード/クイック/マイルド)が用意されている。
最大掘削深さは、B3-7が2940ミリ、「B4-7」は3200ミリ。B3-7の機械質量は2990キロで、3トンダンプトラックへの積載も可能。吊り上げ力向上により、鉄板などの重量物も荷台に積み込める。荷台からのはみ出し率は道路交通法の基準を満たしており、狭小な現場へもストレスなく輸送できる。
アーム自動制御によりバケットとキャビン/キャノビとの接触を回避する機能を搭載した他、アタッチメントに応じた標準爪バケット/法面(のりめん)バケット/ブレーカーの3パターンへの切り替えが可能。ダブルロッククイックヒッチをオプション設定すれば、バケットアタッチメント交換もスイッチ操作1つで行える。
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