マンション排水管改修工事の新工法開発、特殊排水継手で立管を統合 長谷工リフォーム:施工
長谷工リフォームは、マンション排水立管改修工事の新工法として、既設の汚水管と雑排水管の枝管を、新設の耐火性硬質ポリ塩化ビニル管(樹脂管)1本に接続して更新する二管路特殊排水継手/立管統合更新システム「2V-SPEC工法」を開発した。
長谷工リフォームは2024年10月15日、積水化学工業の技術支援のもと、マンション排水立管改修工事の新工法として二管路特殊排水継手/立管統合更新システム「2V-SPEC工法」を開発したと発表した。
新工法では、1本の立管に汚水と雑排水の両方の接続が可能な「特殊排水継手」を使用。既設の汚水管と雑排水管の枝管を、新設の耐火性硬質ポリ塩化ビニル管(樹脂管)1本に接続して更新することで、改修工事に要する労務量やコスト、工事期間中の住民への負担などを軽減する。
2V-SPEC工法の導入で、工事に要する材料や労務量、廃材量を最大65%、コストを最大35%、工事に伴う騒音や振動を最大65%削減できる。また、材料製造や廃材処理、運搬に伴うCO2排出量を最大65%削減。工事期間中の住民への負担も軽減し、騒音や振動を最大65%削減、在宅が必要な日数を4日から最短2日に短縮する。なお、マンションの間取りやプラン、階数などにより削減率は変わる。
長谷工リフォームによると、1970〜80年代のマンションブーム時に建設されたマンションでは、設備の老朽化に伴う排水立管の漏水事故が増え、改修工事の需要が高まっている。当時の排水設備は汚水管/雑排水管/通気管の3本の立管から成る「二管路通気排水方式」が主流だった。今回の新工法の開発により、従来の排水立管改修工事では技術的に不可能とされていた、特殊排水継手を使用した立管統合が可能となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- LIM:エステー×長谷工が「バーチャル森林浴」を賃貸マンションで検証 映像、音、香りで自然を疑似体験
長谷工コーポレーションとエステーが共同開発したマンション共用部に、自然空間を投影し、入居者にリラックス効果を与える「バーチャル森林浴」を実物件に導入した。 - 産業動向:「サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」第2回採択決定
国土交通省は先導的な技術の普及啓発に寄与する「令和4年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」の第2回採択プロジェクトを、長谷工コーポレーションの「スマートホームシステムを導入した未来住宅創造に向けた居住型実験住宅」に決定した。 - AR:「AR 匠RESIDENCE」の新バージョン、外装のシーリングや防水が検査可能に
長谷工コーポレーションは、アウトソーシングテクノロジーとともに開発したマンション打診検査向けMRソリューション「AR 匠RESIDENCE」の「バージョン1.2」を開発した。新バージョンでは、外壁タイルの打診検査と併せて、他の外装部分を検査できるように、シーリングや防水などの検査項目を追加しただけでなく、MR空間で検査結果の経過を確かめられる。 - 施工:「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」が適用範囲拡大、2方向スリットを追加
長谷工コーポレーションは、ロンビックジャパンとともに、完全スリットと同等の耐震補強効果が得られる「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」で適用範囲の拡大を行い、日本建築防災協会の技術評価を更新した。後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法は、2011年3月〜2020年9月の期間で、集合住宅や学校などで145件の採用実績がある。今回の技術評価更新を考慮し、長谷工コーポレーションは、同工法の特徴である住まいながら耐震補強が可能な点を引き続きアピールしつつ、長谷工リフォームを通じて、新耐震基準以前に施工されたマンションの管理組合に提案していく。 - AR/MR:“HoloLens 2”でマンション外壁の打診検査を1人で完了、長谷工版DXが本格始動
長谷工コーポレーションとアウトソーシングテクノロジーは、日本マイクロソフトと連携して、最先端のデジタル技術を駆使した建設・不動産業界の生産性改革を推進していくと発表した。初弾として、マンションの外壁タイル打診検査を対象に、検査員1人だけで完了し、報告書作成の業務量を半減するMixed Realityソリューション「AR 匠RESIDENCE」を共同開発した。 - リノベ:顧客が内装をWebで選べるマンションリノベの新サービス
クジラと長谷工リフォームは、消費者へのリノベーションの普及を目指し、マンションリノベーションのWebサービス「ユアリノベ」を開発した。