洗浄機の「ケルヒャー」が建設現場向けに清掃ロボ! 大成建設が導入したそのスペックは?:第6回 建設・測量生産性向上展(3/3 ページ)
家庭用や業務用の高圧洗浄機で知られるKärcherは、建設業界向けにも用途に応じた多種多様な清掃製品を展開している。2023年に発表した床洗浄ロボットは既に大成建設が導入を決め、薬品ではなく熱湯による除草システムは日本ロード・メンテナンスの道路清掃で使われているなど、現場で徐々に普及しつつある。
欧州規格のHEPAフィルターを装備したアスベスト掃除機
新製品では、水量毎時900Lのハイパワー「HD 9/17-4 S」と、大型カンガルーポケットにノズルやアクセサリーを収納する「HD 10/22-4 S」、水冷/空冷のW冷却と高耐久モータ、改良ポンプを装備した「HD 10/22-4 SXA」の冷水高圧洗浄機3種類を展示。建設機械の洗車に適し、自動ホースリールで片付け作業の70%短縮に加え、片付け時のホースの擦り切れ軽減も考慮した製品設計となっている。
解体工事などで有効なアスベスト対応の掃除機「NT 30/1 Tact H Plus」は、0.3マイクロメートルの粒子状物質を捕捉する欧州規格H14のHEPAフィルターを標準装備。微細な粉じんによる静電気も抑え、冬場清掃時の機械との接触ショックによるストレスを解消する。
簡易的な屋内外の掃き掃除では、手押し式スイーパーとして、完全手押し型、ブラシのみ電動、電動に加えて周囲へのホコリ舞い上がりを抑制する吸引付きの機能の異なる3種をラインアップ。いずれも建物の外周や屋内の広い倉庫でも基本は手押し動作なので、砂や小石を拾い集めるのに長時間かがんで腰を痛めることもない。
他社製品との差別化ポイントについて矢澤氏は、「国内の電機メーカーと違い、清掃に特化しているので清掃システムやホコリの回収能力に自信があり、さらに製品のデザイン面でもユーザーから支持されている。日本でのサポート体制も拡充し、海外メーカーだからダメというイメージも払しょくされつつあるので、建設業界でのサステナブルや人手不足の課題解決に貢献していきたい」と展望を語った。
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