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鉄道線路内でUnitree製犬型の「四足歩行ロボ」実証、日本電設:ロボット
日本電設工業は、現場作業員の負担軽減と省人化を目指し、鉄道線路内で四足歩行ロボットの活用に向けた実証実験を始めた。
JR東日本の関連会社で総合電気工事を手掛ける日本電設工業は2024年7月5日、千葉県柏市にある日本電設工業の研修施設「中央学園」で、鉄道線路内での四足歩行ロボットの活用に向けた実証実験を行った。
日本電設工業は、ロボットとしては比較的安価で、高い運動性能により、安定した歩行が可能で、2次開発も容易で汎用性が高い四足歩行ロボットに注目し、施工技術の未来戦略「NDK施工技術のDXビジョン2031」の取り組みの1つとして活用研究を進めている。
これまで、中国Unitree(ユニツリー)製の中型四足歩行ロボット「Unitree Go1」で建築現場での活用を検証してきたが、今回初めて大型の四足歩行ロボット「UnitreeB2」を採用。鉄道線路内の砂利(バラスト)やレールをまたいだ移動や運搬を想定して、性能検証を行った。
Unitree B2は、旧モデルのB1よりもバッテリー駆動時間を大幅に向上させるとともに、最大40センチの段差の乗り越え能力を備える。一般的な階段であれば前進、後退、横歩き、斜めでも昇降し、階段の途中での方向転換にも応じる。さらに、滑りやすい路面での歩行性能やIP67の防塵(ぼうじん)防水性能のため、屋外の建設現場での巡回監視や計測作業での導入が見込まれている。
今後、日本電設工業は現場作業員の負担軽減と省人化を目指し、ロボットの研究開発を積極的に推進していくとしている。
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