オフィスリニューアル後の行動変容を調査、三菱地所:ワークプレース
三菱地所は、本社共用部リニューアル後に社員の利用実態や行動変容について調査した。改修は、共有部を執務ゾーン、集中ゾーン、会議室ゾーンを新設し、改修後は、知的生産性が高い業務への時間が延長している。
三菱地所は2024年3月14日、本社共用部リニューアル後における社員の利用実態の変化や行動変容について調査したと発表した。
改修後、共用スペース利用率は約6倍に増加
2018年1月に本社を「大手町パークビル」へ移転し、コロナ禍を経て6年が経過し、多様な働き方が定着したことなどを受け、本社6階の約640平方メートルの共用スペースを大規模改修した。利用が少なかったローテーブルのソファ席や横になれる小上がりなどを廃止し、レイアウトを執務ゾーン、集中ゾーン、会議室ゾーンに分割した。
執務ゾーンは、部署をまたいだコラボレーションの促進に向けて、自由に誰でも働ける場所とした。増え続ける社員数に合わせて、個人作業が可能な座席「ワークポイント」を拡大。また、BGMや緑化環境を備えた他、自然光の周期を再現した「サーカディアン照明」を取り入れた。
集中ゾーンは、席数を9席から21席に増やし、個室に加えてセミ個室、ブース席を用意して、集中の度合いに合わせて、働く場所を選択できる。
会議室ゾーンは、リモートワークにも対応すべく、Webと対面のハイブリッド会議を可能にする環境を整備した。対面参加者全員の顔が見える座席配置とし、半数の部屋は什器を可動式にした。
改修5カ月後の社内調査では、本社社員の業務内容で、「考えて発想、分析、決断する行為」「資料閲覧、作成行為」といった知的生産性が高いとされる項目が1日あたり24分増(前年比)となった。
また、「本社全体は集中作業/思考をサポートしている環境か?」の質問に対しても、9割の社員が「はい」と回答し、前年比10%増となった。
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