三協フロンテアにユニットハウスの3Dモデル構成ツールを提供、伊藤忠テクノソリューションズ:xR
伊藤忠テクノソリューションズは、ユニットハウスの商談を効率化し、顧客満足度の向上につなげる目的で、三協フロンテアにユニットハウスの3Dモデル構成ツールを提供した。
伊藤忠テクノソリューションズ(略称:CTC)は、ユニットハウス「モバイルスペース」の製造・販売を手掛ける三協フロンテアに、ユニットハウスの3Dモデル構成ツール「モバイルスペースシミュレーター」を提供したと2024年3月6日に発表した。
モバイルスペースの3D検討が可能に
モバイルスペースシミュレーターは、ユーザー自身がWeb上でモバイルスペースの間取りをカスタマイズし、3D画像を作成することで、完成品のイメージを確認できるツール。スムーズな商談を可能にし、顧客満足度の向上が図れる。
三協フロンテアは、ユニットハウスの製造・販売・レンタルを主力事業として展開しており、建設廃材をほとんど出さない「モバイルスペース」を提供することで資源循環型社会の実現を目指している。三協フロンテアのモバイルスペースは、レイアウトの柔軟性が高く、スピーディー施工が可能で、建築後も移設や増減築に対応するため、事務所や店舗、イベント用施設、応急仮設住宅などさまざまな場面での活用が進んでいる。従来の平屋建て単体製品に加えて、3階までの多層階の連棟製品も販売し、商材の多様化に対応するレイアウトの効率化を検討していたという。
モバイルスペースシミュレーターは、多層階のモバイルスペースについてもWeb上での間取りシミュレーションを可能にする。モバイルスペースのタイプや用途に基づくプラン、壁や窓、階段などのパネルやオプションを選択するだけで、即時にユニットハウスを3Dで確認できる。パネルやオプションの変更もワンクリックで済み、外観や内観も360度の角度で確認可能なので、さまざまなパターンを試すことで、購入後のイメージをつかめる。また、iPad用アプリケーションのAR機能を使って、建設予定地にハウスを置いてみるなど、設置後の外観シミュレーションもできる。
システムは、フィンランドのITサービス企業VividWorksのクラウド型VR/ARプラットフォーム製品「3D Product Configurator」を採用。3D Product Configuratorは、マルチデバイスに対応し、3Dデータの取り込みや既存Webサイトへの組み込みが容易であることが特長となっている。CTCは、2015年からVividWorks製品の取り扱いを開始し、長年培ったCADや画像処理の技術とノウハウをベースに関連システムの構築やコンサルティングサービスを提供している。
今回三協フロンテアに提供したモバイルスペースシミュレーターでは、CTCは、UI(ユーザーインタフェース)の実装や素材情報の登録や設定変更、導入サポートを担った。
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