MetaMoJiが大林組や安衛研と現場の労災リスクを可視化する技術を開発:AI
MetaMoJiは、大林組や労働安全衛生総合研究所(安衛研)と共同で、「安全AIソリューション」を開発し、先行試用企業の募集を開始している。なお、正式なサービスの提供開始は2023年を予定している。
MetaMoJiは、大林組や労働安全衛生総合研究所(安衛研)と共同で、「安全AIソリューション」を開発し、2022年7月5日に先行試用企業の募集を開始した。
安全管理データを基に安全リスク評価のAIモデルを構築
近年の建設現場では、高齢の労働者や外国人作業員が労働災害で被害を受けるケースが増加している他、若手監督者に安全性を高める技術を継承する機会も減少しており、労働安全衛生管理の高度化が求められている。
そこで、MetaMoJiは、大林組や労働安全衛生総合研究所(安衛研)と共同で安全AIソリューションを開発した。安全AIソリューションは、上記の問題を解消するために、MetaMoJiが、安衛研の梅崎重夫氏が提唱する労働災害の「IMTOC表現※1」を用いて、各社に蓄積されている安全管理データを基に、安全リスク評価のAIモデルを構築し、大林組が現場での評価を行い、開発された。
※1 IMTOC表現:業種(I)、起因物(M)、事故の型(T)、作業その他の条件(O)、直接原因(C)の5つの要素によって、労働災害の事例を類型化し表現する方法。
具体的には、MetaMoJiのデジタル野帳「eYACHO」や「GEMBA Note」上で、生成される安全衛生日報や作業計画書などの帳票上に、作業者と現場の状況に応じて関連度の高い安全管理情報を抽出する「Dynamic Checklist」を作成する。
さらに、「利用データの作成」「リスク予測データベース構築」「危険予知と安全対策の実施」を行える。利用データの作成では組織内外に散在している労働災害情報をIMTOC表現でデータベース化できる。
リスク予測データベース構築では、労働災害データから、安全AIソリューションの「自然言語処理AI」がリスク予測データベースを自動構築し、さまざまなデータサイエンスに基づく分析からリスクを自動判定する。
危険予知と安全対策の実施では、現場では、eYACHOやGEMBA Note上で労災情報を登録し、職種、使用機械、予測される災害から、Dynamic Checklistなどの帳票を生成し、徹底した安全対策を効率的に行える。
これにより、個人の経験や勘に依存しがちなこれまでの安全管理業務を改善し、組織にリスクの見える化と安全管理の高度化を実現する。
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