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土を主原料に3Dプリンタでモデルハウス製作、Lib Work:デジタルファブリケーション
注文住宅メーカーのLib Workは、土を主原料とした3Dプリンタ住宅のモデルハウスを完成させた。地元の資源を利用することで運搬や加工のコストを低減し、CO2の排出量の削減にもつながる。
熊本を拠点とする注文住宅メーカーのLib Work(リブワーク)は2024年1月30日、土を主原料とした3Dプリンタ住宅のモデルハウス「Lib Earth House modelA」が完成したと発表した。入手が容易な土を原料とすることで建築コストを削減し、廃棄物を最小限に抑えられるためサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現にも貢献する。
建築コストを削減、サーキュラーエコノミー推進にも貢献
建設用3Dプリンタを活用した住宅建築は、従来の方法と比べて工期を短縮し、建設コストを削減するとともに、デザイン性に富んだ住宅の建築を可能とする。Lib Earth House modelAは建設地周辺の土地を使う地産地消型のため、運搬や加工のコストを抑えられる。これによりCO2排出量の削減にもつながる。さらに、建設過程で発生する廃棄物を抑制し、最終的には自然に還元することで、持続可能な社会の実現にも寄与する。
将来は3Dプリンタを、火星での住宅建築プロジェクトに転用することも目指す。地球から主材料を運搬せず火星の土を主材料として活用できれば、従来の宇宙探査プロジェクトにかかる費用の抑制にもつながるとしている。
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