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明大 生田新校舎で挑戦した日建設計の設計BIM 基本計画から実施設計まで「BIMで考える、BIMと考える」Building Together Japan 2023(2/4 ページ)

日建設計の茂住勇至氏は、明治大学 生田キャンパスの新校舎設計で、プロポーザル段階から、基本設計、実施設計に至るまで、BIMソフトウェア「Archicad」を活用した。設計業務では、基本計画の大学側との合意形成や日影シミュレーション、100分の1の詳細度でBIM作成などの新たな設計BIMの試みに挑んだという。

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プロポーザル段階でのBIM活用の工夫

 計画地の生田キャンパスには、広大な敷地に多くの既存建物が建つ。そこで茂住氏は、キャンパス内の地形と建物の概略をつかむためのモデルを作成した。新校舎と接続する建物や今後改修する建物に関しては、後に相対的なフロアレベルなどをT.P.レベル(東京湾平均海面:全国の土地の標高基準となる海水面の高さ)で測れるように、既存図をもとに正確に数値を入力してモデリングした。

キャンパス内の地形と建物の概略をつかむために作成したモデル
キャンパス内の地形と建物の概略をつかむために作成したモデル

 今回のプロジェクトでは、既存図書館の一部を解体し、減築後に改修して使い続ける計画を立てたが、計画初期からArchicadの「リノベーションフィルター機能」を使い、壊す部分と使い続ける部分を同一データ内で確認しながら検討できたことが、その計画提案につながった。

Archicadのリノベーションフィルター機能を活用し、既存部分、解体部分、新設部分を同一データで確認
Archicadのリノベーションフィルター機能を活用し、既存部分、解体部分、新設部分を同一データで確認

 新校舎のボリュームスタディーでは、必要条件を詰め込んだ案を作り、そこから建物の配置を変えたり、高さ制限や面積のバランスをリアルタイムで確認したりしながら、スピーディーに複数案を立案した。「検討途中で庇と手すりのパターンで外装をデザインする方向で固まったため、Archicad内の“手すりツール”のレールに断面形状(一部)を複数登録し、バリエーションを大量に検討した」(茂住氏)。

ボリュームスタディーの変遷。茂住氏は、「結果的に検討をスタートしたときに自分が作成したBIMモデルが、そのまま継ぎ足しを繰り返し、現場で使い続けられており、今回のBIM活用での特徴となっている」と振り返る
ボリュームスタディーの変遷。茂住氏は、「結果的に検討をスタートしたときに自分が作成したBIMモデルが、そのまま継ぎ足しを繰り返し、現場で使い続けられており、今回のBIM活用での特徴となっている」と振り返る

 最後にArchicadで作成したBIMモデルをAutodeskの3DCGソフトウェア「3ds Max(スリーディーエス マックス)」で、社内のイラストチームと共有。ArchicadのBIMモデルと、3Dレンダリングソフト「Lumion(ルミオン)」を使いながらコミュニケーションを図り、プロポーザル用資料を作成した。

ArchicadとLumionを活用したイラストチームとの情報共有
ArchicadとLumionを活用したイラストチームとの情報共有
講演で掲載したイラストは、Archicadでスタディーやモデリングしたデータをもとに、イラストチームが描いた
講演で掲載したイラストは、Archicadでスタディーやモデリングしたデータをもとに、イラストチームが描いた

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