設計BIMプロセスに改革をもたらす、進化した「Archicad 27」 新機能を実演デモで確認:Building Together Japan 2023(3/3 ページ)
2024年に向けた「Archicad」の最新アップデートでは、「YOUR BEST DESIGN OPTION」のテーマに基づき、設計の最適解を素早く検討して合意形成までつなげるべく、多くの機能改善を図った。Building Together Japanのプレゼンテーションから、設計BIMのワークフロー改善に資するというArchicad 27の各種機能をレポートする。
この他、BIMx関連では、ラベル機能についても解説した。ラベル機能は、BIMxで平面や立面にリンクされた情報を表示する。立面から建具の情報に直接アクセスしたり、そのまま3Dデータへアクセスしたりが可能で、問題箇所を見つけたり指示したりするのに使える。
佐藤氏は、Archicad 27を「BIMアプリケーションとの間で承認プロセスを作っていけるバージョンだ」とその特長を語った。
サポート「Forward」の提供ツールに、コマンド検索とインスタント材質を追加
プレゼンの最後には村田氏が再登壇。日本固有の課題と要望にスピード感をもって対応すべく、日本に専属の開発チームを置いているとした。その体制の保守サービスとして、無償アップグレードや各種の便利ツール、テクニカルサポートなどが受けられる2022年4月に開始したサポートサービス「Forward」と、日本ユーザーの要望をもとに新しい機能を試験的に提供する「テクノロジープレビュー(試験機能)」を展開している。テクノロジープレビューは、ユーザーから評価の高かったコマンド検索とインスタント材質の2機能をユーザーによるテストを経て、Forwardのツールで製品化した。
村田氏は、「これからも、製品やサポートを通じて、ユーザーとともに優れた建築やBIMの環境を作り上げていきたい」と抱負を口にし、プレゼンテーションを終えた。
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