東急建設、生産地が分かる緑化樹木をECサイトで販売 多摩川流域、関東圏から:緑化
東急建設は建物の外構向けに、生産地の確かな在来種の緑化樹木「チイキツリー」を販売するECサイトを開設した。事業者はチイキツリーを購入することで在来種の樹木による緑化が可能になり、生物多様性に貢献する姿勢をステークホルダーにアピールできる。
東急建設は2024年1月12日、建物の外構向けに、生産地の確かな在来種の緑化樹木「チイキツリー」を販売するECサイトを開設した。山林地域などの自然環境でタネを採取し、発芽、苗木の生産まで一貫して行うことで、樹木の生育履歴を明らかにする。
事業者はチイキツリーを購入することで、採取地/生産地の分かる在来種の樹木による緑化が可能になり、生物多様性に貢献する姿勢をステークホルダーにアピールできる。緑地に関する認証制度(ABINC、江戸のみどりなど)の取得にも活用可能だ。
トレーサビリティー機能を備えた樹木販売のECサイト
チイキツリーの購入費用は通常調達した場合の約1.6倍程度、管理費用は従来の植栽と同額程度となる。将来は必要な樹木の予約注文にも対応する。また、産地証明については、生物多様性保全協会が運用する「在来植物トレーサビリティ認定制度」による第三者認定が得られる。
まずは多摩川流域、関東圏から展開
サービス開始当初は、種苗/樹木の活用エリアを「多摩川流域および関東圏」で想定している。多摩川流域での取り組みは、地域性種苗の生産に強みを持つ箱根植木と連携し実施する。
今後はエリアや取り扱い種類を拡大し、将来的にはブロックチェーン技術などを利用して、より確実なトレーサビリティーを確保した樹木を提供するとしている。
日本国内の苗木市場におけるトレーサビリティーの現状
近年、企業に生物多様性などの自然資本への配慮が求められている。事業主やデベロッパーの間では、新たな建物の建築や開発において、在来種の緑化樹木を利用する需要が高まっている。
樹木は出生地に近い地域で植栽することが地域の生物多様性への貢献につながるが、現在流通している緑化樹木のほとんどは、タネの採取地や生産地などの履歴を追うことが困難で、出自のわからないのが現状だという。
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