大和ハウスDX戦略の全体像2023年版 設計BIM100%で「導入期」から「活用期」へ:「守りのDX」と「攻めのDX」(4/4 ページ)
大和ハウス工業は、2022年度から5カ年度の中期経営計画で、守りのDXで持続的成長モデルの構築を掲げている。その中核を成すBIMは、既に設計で全件BIM化を達成し、これまでの導入期から、共通データ環境に蓄積するBIMデータを建材データベースやxRなどで、いかに利活用するかの活用期へと移行している。
BIMデータ審査には何が必要か?
今後、国内でのBIM動向を予測するのに欠かせない、直近のトピックスで宮内氏は、2025年度にBIMによる建築確認申請「BIM審査(BIM図面審査)」が開始することに触れた。
国土交通省が公表した「令和5(2023)年度 建築BIMの将来像と工程表 増補版」の中でBIM審査は、PDF図面とともに整合性担保のためにIFCデータを提出するが、審査対象はPDF図面のみ。大和ハウス工業では、BIM審査の先を見据え、IFCデータそのものを審査対象とした「BIMデータ審査」を民間確認申請機関とトライアルで行っている。宮内氏は「当社でのBIMデータ審査トライアルは、現在90%の実施率で、実務者からも高いニーズがある。ただ、BIMデータ審査には、自社開発した自動モデルチェックツールのAuto Chckerなどの仕組みで、正しいデータを扱うことが前提となる」と提言した。
勉強会最後の総括で河野氏は、大和ハウスDX戦略のシナリオで、2030年までに成し遂げたい未来をBIMとデジタルコンストラクションによる次世代の工業化建築とし、その先の2040年には、「SaaSベースの建設プラットフォームの外部提供、建築の工業化のコンサルティング、デジタルFM/PMによる“建設の民主化”を目指したい。新しいビジネスモデルを確立できれば、技術の輸出も見えてくる」と展望を語った。
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