3Dセンサーで遠隔/非接触の計測、点検作業を効率化 3次元測量支援ソフトを展開:第8回鉄道技術展2023
NEC通信システムは、3Dセンサーを活用して電柱や電線などの設備点検作業を効率化する「3次元測量支援ソフトウェア」を展開している。
NEC通信システムは「第8回鉄道技術展2023」(会期:2023年11月8〜10日、幕張メッセ)で、3Dセンサーを活用し電柱や電線などの設備点検作業を効率化する「3次元測量支援ソフトウェア」を紹介した。遠隔、非接触で物体の長さや傾き、物体間の距離などを計測可能で、点検作業を省力化しながら作業員の安全確保にも寄与する。
作業員1人で計測作業が可能に 撮影完了まで1分以内
使用する機材は3Dセンサーとタブレット端末のみのため、作業員1人だけで運搬と計測作業が完了する。現場では3Dセンサーで目標周辺環境を撮影し、3次元点群データを取得する。撮影終了までの作業は、1か所あたり1分以内で完了できるという。線路や道路の脇からの撮影でも計測可能で、危険な場所に立ち入る必要はなく、作業時間の大幅な削減も期待される。
撮影した画像はタブレット端末やPCで確認し、画像上の計測したい対象物や計測種別を選択すると、離隔距離や角度が計測できる。計測結果は自動で保存し、CSV出力も可能。3次元点群データを一度作成すれば、現場を再訪しなくても、点群データをもとに再計測できる。
計測できるのは、任意の2点間直線距離に加え、水平、鉛直方向の距離、指定した3点の角度など。また、撮影した3次元点群データには円柱、立方体、球体などのオブジェクトを生成できるため、設備を移動させたり新設したりする際に既存設備との距離を計測するといったシミュレーションも行える。
3Dセンサーを使用するため昼間だけでなく夜間の使用も可能。RGBカメラを増設すれば、3次元点群データに色彩情報を追加し、データの視認性を向上できる。
主なソフトウェア仕様は以下の通り。
- 対応OS:Windows10/11
- データ容量 3D点群:フレーム時間3000ms 約4.5MB、フレーム時間1000ms 約14MB
- データ容量 RGB写真:2〜10MB(機種、解像度による)
- 表示可能データ件数:1万件
- 計測可能件数:100件
- シミュレーションオブジェクト数:100件
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 現場管理:デジタル野帳「eYACHO」が2024年度にBIM連携 eYACHO上でBIMモデルを高速閲覧
MetaMoJiのデジタル野帳「eYACHO」に、BIM連携の新機能が搭載される。eYACHO上でBIMモデルをスムーズに扱えるブラウジング技術を採用し、BIMソフトウェアが無くとも、設計モデルから施工図面や計画表の出力や3次元の干渉チェックなどが行えるようになる。 - BIM:点群データを詳細度別にRevitモデル作成、野原グループが既存建物をBIM化する「Scan to BIM」開始
野原グループは、販売代理をしている米Matterportの360度カメラなどで取得した点群データを、必要な詳細度に応じてBIMモデル化するサービスを本格始動した。 - ドローン:フォトグラメトリとLiDARで高精度な3D点群をスマホで生成 「Pix4Dシリーズ」がNETIS登録で工事成績の加点に
Pix4Dの地上写真測量ソリューション「PIX4Dシリーズ」がNETISに登録され、新たに工事成績評定の加点や総合評価方式の入札の際の評価対象となった。 - スマートコンストラクション:鉄骨建方が1人だけで完了するトプコンのスマホアプリ「楽直」
トプコンは、スマートフォン向け鉄骨建方アプリケーション「楽直」を販売開始する。建築向け位置出し機「楽位置」を操作することで、1人の作業員による鉄骨建方作業が可能となる。 - 第5回 建設・測量生産性向上展:シミュレーションを超えたFORUM8の建設VR/メタバース活用例
建設の分野でVR活用が進んでいる。しかし、もととなる3Dデータの取得やデータ変換などには機器のコストや作業の時間がかかり、建築や土木分野でのxR活用の妨げとなっていた。 - 第5回 建設・測量生産性向上展:Haloworldが点群データを手軽に取得する「携帯型3Dスキャナー」を参考展示
国土交通省が推進するi-Constrctionの進展とともに、測量や3次元設計、施工管理など、現場を3Dデータ化する需要が高まっている。だが、3Dデータ取得には高価な機器を手配し、運用にもある程度の知識が必要となる。Haloworldが開発した携帯型3Dスキャナーは、手軽さと低コストで新たな選択肢を提示するものだ。