日本初上陸の住宅用気密測定器、減圧/加圧で建物の隙間風を診断する「300X」:スマート化(1/2 ページ)
ハイシマ工業は、Retrotec製の住宅用気密測定器「300X」を発売した。ISOやJISの測定基準にも適合し、ファンの前後を入れ替えるだけで減圧/加圧が切り替えられる。
ハイシマ工業は2023年10月20日に、気密試験や建物診断の用途で使うRetrotec製気密測定器「300X」の予約販売を開始し、このほど新機能のデジタル圧力計「DM32X」も追加した。
「減圧法」と「加圧法」にファン前後の入れ替えだけで対応する「300X」
300Xは、米気密測定器メーカーRetrotec製のブロアードア(玄関ドアや窓へ設置)タイプの住宅用気密測定器で、ハイシマ工業が国内で初めて発売する。
気密測定器は、建物のエネルギー効率や温熱快適性、安全性耐久性に悪影響を及ぼす隙間風や空気漏れを探すのに用いる。気密測定には、建物内をマイナス圧に保って外から空気を取り入れて測定する「減圧法」と、建物内をプラス圧に保って外へ空気を出して測定する「加圧法」の2種類がある。日本で気密測定と言えば一般的には減圧法だが、米国やEU諸国の試験規格では減圧法/加圧法の両方で測定することが求められている。
その点で300Xは、ISOやJISの測定基準にも合致し、ファンの前後を入れ替えるだけで減圧/加圧を切り替え、50パスカルで時間当たり3〜0.03回の空気交換を正確に測定する。
新たに追加したデジタル圧力計のDM32Xは、タッチスクリーンインタフェースを備えた圧力計「DM32」の後継機。5.5インチの1080P HD OLEDディスプレイを備え、マルチタッチに対応している。
リアルタイムグラフィックにより、時間軸に沿って計測した圧力を表示する。DM32と比較して、DSP(デジタルシグナルプロセッシング)による圧力読み取りの安定性が向上した。
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