「インボイス制度導入に危機感、一人親方の約7割」労災センター共済会が実態調査:インボイス制度(2/2 ページ)
労災センター共済会は、一人親方を対象にインボイス制度について、施行前の2023年9月に調査した。その結果、約半数が準備ができていないことが判明し、約4割から「十分に理解していないため、対応策を練ることができない」の声が寄せられた。
制度導入後、課税事業者になるは34.7%
Q4の「非常に感じる」「やや感じる」の回答者に、「Q5.具体的に何に危機感を抱いているか(複数回答)」(n=70)をうかがうと、「免税事業者のままだと仕事が減る可能性があること」が51.4%、「手続きなどの事務作業が増えること」が41.4%、「インボイス制度についてよく理解できていないこと」が34.3%の結果となった。
「Q6.インボイス制度の導入後、どのように活動する予定か」(n=101)の設問では、「課税事業者になる予定」が34.7%、「免税事業者のままでいる予定」が30.7%。
Q6で「課税事業者になる予定」と答えた人に、「Q7.課税事業者になる理由(複数回答)」(n=35)を聞くと、「既存の取引先に継続してもらいたいから」が82.9%、「仕事が減るリスクをなくしたいから」が54.3%、「取引先の幅を狭めたくないから」が45.7%という回答だった。
Q6の「免税事業者のままでいる予定」の回答者に、「Q8.免税事業者のままでいる理由(複数回答)」(n=31)を質問すると、「納税額を増やしたくないから」が48.4%、「個人取引が多いから」が48.4%、「納税のための事務作業が増えるのを防ぎたいから」が22.6%となった。
Q1で「できている」「ややできている」かつQ6で「課税事業者になる予定」と回答した人に、「Q9.どのような準備を行っているか」(n=27)を聞くと、「届け出や申請などの手続き」が81.5%、「請求書や領収書などの書式を見直す」が29.6%、「簡易課税制度の導入の検討」が25.9%となった。
一人親方のインボイス制度に関する実態調査
集計期間:2023年9月7〜8日
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
有効回答:免税事業者の一人親方101人
調査対象:一人親方のインボイス制度に関する実態調査
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