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継手の改良とECVP管で、無電柱化事業の高コスト体質に切り込むクボタケミックス:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023(2/3 ページ)
なかなか進まない日本の無電柱化事業。進行を妨げる要因の1つはコスト高だ。クボタケミックスは、新たな継手開発で使用部材や施工工数を減らし、部材そのものの材質も変更することで、この課題に挑んでいる。
使用部材の削減と施工性向上で、低コストを実現する配管継手
かんたん配管継手は、直管と継手だけで屈曲部の設計を可能にする。呼び径は100、150、200、250の4種類。直管と継手だけで屈曲半径5000ミリ相当の曲げ角度まで対応するため、屈曲部に必要だった曲管の使用量を減らせ、低コストにつながる。ブース担当者は、「配管の呼び径や組み合わせ方にもよるが、従来の配管方式と比べて最大で6割程度までコストを抑えられたケースもある」と自信を示す。
さらに担当者は、「こうした配管継手は他社からも販売されているが、かんたん配管継手は施工性の向上につながるという点で強みがある」と続ける。
同シリーズの「かんたんスライド管」同様、切管時の管端面取り作業(ただしFA100、150は内面取り30度が必要)が不要で、接続時の滑剤を塗布したり、挿入機を使用したりしなくても、SUSバンドで締めるだけで配管作業が完了する。管には曲げ角度(想定角度)標線ラベルが貼られており、曲げ過ぎ防止も容易だ。こうした特徴は、施工の省力化はもちろん、作業環境の改善、安全性向上などの効果も期待される。
かんたん配管継手は、「東京都電線共同溝整備マニュアル(2023年4月)」に標準品として掲載されており、今後の需要増が見込まれている。
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