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継手の改良とECVP管で、無電柱化事業の高コスト体質に切り込むクボタケミックスメンテナンス・レジリエンスTOKYO2023(1/3 ページ)

なかなか進まない日本の無電柱化事業。進行を妨げる要因の1つはコスト高だ。クボタケミックスは、新たな継手開発で使用部材や施工工数を減らし、部材そのものの材質も変更することで、この課題に挑んでいる。

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 塩ビ管や継手の製造や販売を手掛ける「クボタケミックス」は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」の構成展「第11回無電柱化推進展」(会期:2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト東展示棟)で、電線類の地中化(無電柱化)を推進する製品を展示した。

クボタケミックスの展示ブース
クボタケミックスの展示ブース 写真は全て筆者撮影

世界に後れを取る日本の無電柱化事業、最大の要因はコスト高

 都市の景観形成だけでなく、防災やレジリエンス(強靭化)の観点からも重要な無電柱化事業。日本の無電柱化への取り組みには、長い蓄積がある。1986年度に国の政策として3期にわたる「電線類地中化計画」がスタートし、その後、対象規模を拡大しながら、現在は2018年度に策定した「無電柱化推進計画」に沿って無電柱化への計画が進められている。

 ただし、「進捗状況は芳しくない」とクボタケミックスのブース担当者は口にする。2021年の国土交通省「無電柱化推進計画について」にあるように、日本の無電柱化の水準は欧米やアジアの主要都市と比較して大きく後れている。国土交通省のWebサイトによると、ロンドンやパリ、香港、シンガポールといった大都市が2000年代前半に既に100%の無電柱化を達成しているのに対し、日本では2021年度末時点で、東京23区で8%、大阪市で6%にとどまっている。都道府県レベルで見ても、最も無電柱化率の高い東京都でも、無電柱化されている道路の割合は5%台と低く、普及が進んでいないことは明らかだ。

 なぜ、日本では無電柱化事業が進まないのか?その理由をブース担当者は次のように説明する。「事業者との調整や地上機器類の設置場所の確保などさまざまあるが、一番大きい要因はコストだ」。

 国土交通省の試算によると、日本で採用されている電線共同溝方式での無電柱化事業を進めた場合、土木工事だけで約3.5億円/キロ。これに電気設備工事に約1.8億円/キロが追加されるという。

 日本の無電柱化事業を推進するためには低コスト化への取り組みが欠かせない。この課題に資材(管路材)の改良でアプローチするのが、今回クボタケミックスのブースに展示された電線共同溝向けSUSバンド固定式管路材「かんたんシリーズ」の「かんたん配管継手」だ。

かんたん配管継手(200径)
かんたん配管継手(200径)

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