積水ハウス ノイエ、基礎ダイレクトジョイント構法導入で耐震性向上:施工
積水ハウス ノイエは、より地震に強い家を実現するために積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」で標準採用の技術「基礎ダイレクトジョイント構法」と「高強度耐力壁」を2023年8月1日から導入した。
積水ハウス ノイエは、より地震に強い家を実現するために積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」で標準採用の技術「基礎ダイレクトジョイント構法」と「高強度耐力壁」を2023年8月1日から導入した。
地震発生時、特に大きな力がかかるのが基礎と柱、柱と梁の接合部だ。一般的な木造工法では、土台の固定方法により、基礎と柱の接合部が弱点となる場合があった。積水ハウスのシャーウッドでは、土台を使わず基礎と柱を専用の構造用金物で直接緊結する基礎ダイレクトジョイント構法を採用している。土台をなくしたことで、どの方向からの力にも均質な強さを発揮し、柱の抜けや倒壊が起きづらい強い構造体を実現した。同社は、この基礎ダイレクトジョイント構法を導入することでさらなる耐震性の向上を実現する。
近年、太陽光発電や省エネ設備の設置などのゼロエネルギー化の促進に伴い、建築物の重量が大きくなり、地震による被害リスクが懸念されている。国は2025年4月からZEH水準の断熱性能を持つ木造住宅向けの基準を新設し、構造設計図書の提出を必須化とするなどのいわゆる4号特例の縮小を予定している。同社は、この法改正に先立ち、全棟、許容応力度設計による構造計算を行い、確実に構造安全性を確認する運用に変更した。
また「耐力壁」については、今までも一般的な木造住宅の耐力壁より厳しい評価基準で設計してきたが、基礎ダイレクトジョイント構法の導入により高強度耐力壁を活用し、プランによっては大きな開口がとれるようになる。
基礎ダイレクトジョイント構法の導入に伴い、同社ではこれまで提携先で行ってきた部材加工について生産体制を変更し、設計から構造計算、生産、施工、アフターサービスまでを積水ハウスグループが一貫して取り組む。品質の向上に努め、2025年度には年間1000棟ベースへの成長へと規模拡大を目指すという。
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