「京急品川駅」地上化に伴う再開発 28階建て駅ビル2棟など、延べ37万m2で2025年度に着工:プロジェクト(2/2 ページ)
京急電鉄とJR東日本は、京急線「品川」駅の地上化に伴い、高層駅ビルなど3棟に建て替える計画を進めている。
新たな価値や文化を発信する「ダイバーシティープラットフォーム」を駅ビルに
品川駅周辺では、2027年以降のリニア中央新幹線開通とともに、品川駅周辺地区土地区画整理事業やJR品川駅北口駅改良、京急線品川駅地平化、国道15号・品川駅西口駅前広場の整備などが予定されている。また、広域的な道路ネットワークを形成する環状第4号線や東京メトロ南北線分岐線の整備も進む。
そのため、国内外の利用者にとって分かりやすい駅前空間の形成を目的に、複雑な乗換動線を解消するべく、リニア中央新幹線、地下鉄新駅、JR・京急線、駅前広場、放射第19号線(国道15号)地上部の路線バス、タクシーなどの乗降場をシームレスにつなぐ、エレベーター、エスカレーター、階段などの立体的な歩行者者動線を整え、交通結節機能を創り出す。
さらに、国際交流拠点にふさわしい新たな価値や文化を発信する空間となる「ダイバーシティープラットフォーム」の構築、防災機能の向上と先導的な環境都市づくりなどを予定している。
ダイバーシティープラットフォームでは、ビジネス交流施設(約5000平方メートル)、ビジネス協働支援施設(約2000平方メートル)、情報発信施設(約1500平方メートル)を配置し、駅街区事業者が主体となって組成するコンソーシアムで企業間や地区間の連携を図りながら運営する。
また、国指定史跡の「高輪築堤跡第7橋梁部」を保存し、特徴的な橋台部を来街者が見学できるようにするなど、街づくりと文化財保護の両立も図る。
防災機能強化と先導的な環境都市づくりでは、北街区と南-a街区で2030年カーボンハーフ(CO2の50%削減)の実現を掲げる。加えて、建築の壁面や屋上も含め、合計約8800平方メートルの緑化を創出し、ヒートアイランド抑制に寄与する。
今後は、東京圏国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトとして、内閣総理大臣による区域計画の認定に向け、東京都都市計画審議会や国家戦略特別区域会議などの手続きが進められる。
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