ニュース
清水建設、個室ブースの空調を利用者が任意に最適化できる空調システムを開発:BAS
清水建設は、大阪公立大学健康科学イノベーションセンターおよび総合医科学研究所と共同で、オフィス内の個室ブースの空調を利用者が任意に最適化できる「床吹き出し型パーソナル空調システム」を開発した。
清水建設は2023年7月26日、大阪公立大学健康科学イノベーションセンターおよび総合医科学研究所と共同で、オフィス内の個室ブースの空調を利用者が任意に最適化できる「床吹き出し型パーソナル空調システム」を開発したと発表した。
同システムは、OAフロアの床下から空気を供給する小型ファン、床下からの気流の風量や風向きを調整するフラップ、床パネルに組み込んだ吹き出し口、空調操作向けのタッチパネルで構成される。
個室利用者は、タッチパネルにより風量や風向きを任意に選択可能。風量は、25〜200m3/時の範囲で8段階、風向きは固定4パターンおよびスイング機能3パターンを選択できる。また、構成機器がブースのパーテーションから独立しており、床吹出空調方式の既存建物にも導入できる。
同社は、大阪公立大学健康科学イノベーションセンターおよび総合医科学研究所の監修のもと、20〜60代の男女約20名を対象に実証実験を実施した。被験者が任意の空調環境下でパソコンへのデータ入力作業に4時間従事したところ、一般的な空調環境下と比較してエラーの発生率が30%低減することが確認できたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 感染制御学の第一人者が評価する“コロナに強い”清水建設の東北支社新社屋
清水建設は、2021年3月に完成した東北支店新社屋で、75%超の省エネ認証「Nearly ZEB」の取得を目指す。省エネ技術の一つとして、感染症対策で有効とされる床から天井へ向けて空調空気を押し上げ、上部で排気する「床吹き出し空調システム」を導入している。 - エネルギー削減率68.7%、清水建設が「ZEB Ready」達成
清水建設が設計施工を行った「清水建設四国支店ビル」が「ZEB Ready」を達成した。新開発の空調システムなどの導入により、2016年4月〜2017年3月までの年間一次エネルギー消費量を、標準的な仕様の建物と比べて68.7%削減することに成功したという。 - 省エネと換気性能を両立、清水建設がクリーンルームの新型空調
清水建設はこのほど、クリーンルームの生産効率向上と省エネルギーに寄与することを目的に、換気性能に優れる置換空調技術を応用した「置換クリーン空調」を開発した。室内全体の空気を攪拌(かくはん)する従来の空調システムと比べ、循環風量を約30%削減し、大幅な省エネが見込めるという。 - ビルマネ業務の全てを学べる「S・BLC技術研修センター」を本格運用
シミズ・ビルライフケアは、急成長するビルマネジメント市場の状況を踏まえ、優れた後進育成を目的にビルマネジメント業務を全て学べる施設「S・BLC技術研修センター」を開設した。