三井住友建設、RFIDタグ一体化の鉄筋コンクリート製品用スペーサー開発：現場管理

三井住友建設は、RFIDタグと一体化した鉄筋コンクリート製品用スペーサーを開発した。RFIDタグによる生産管理情報の一元管理が、PCa部材製造の上流工程から可能となっている。

[BUILT]

　三井住友建設が、RFIDタグと一体化した鉄筋コンクリート製品用スペーサーを開発した。このスペーサーは、コンクリートの打設時に鉄筋と型枠との間隔（かぶり）を保つために使用。RFIDタグとスペーサーを一体化したことにより、RFIDタグによる生産管理情報の一元管理が、PCa（プレキャストコンクリート）部材製造の上流工程から可能となった。

RFIDタグ一体型スペーサーの取付状況　出典：三井住友建設プレスリリース

　また、工場でのRFIDタグ貼付作業を省けるため、PCa部材保管時の剥がれなどのリスクも低減可能。従来の鉄筋コンクリート製品用スペーサーと同じように使用できる。

　RFIDタグの構造を簡素化しており、価格を低減した。さらに、交信距離が長いUHF帯域のRFIDタグを採用。コンクリートの特性に合わせて調整することで、2ｍ程度の交信距離を確保できる。

　同社は、次世代PCa生産管理システム「PATRAC（Precast Automatic TRACing system）」を開発している。今後は、今回開発したスペーサーをPATRACにて使用可能とすべく、実現場で試験導入し、施工時の品質管理などでの活用を図る。

次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の全体像　出典：三井住友建設プレスリリース

　なお、今回開発したスペーサーは、 RFIDタグがKISCO製、スペーサーが未来樹脂製となっている。