【Report】ソフトベンダーからソリューションプロバイダーへ!進化を遂げるグラフィソフトジャパンのBIMアップデート:Building Together Japan 2022(3/5 ページ)
グラフィソフトジャパンは、2023年度のアップデートで、Archicad、BIM cloud、BIMxのBIM関連製品と、Graphisoft Forward、Graphisoft Learn、Graphisoft Communityの3つのサービスを両輪に、「BIMソフトベンダー」を超え、ユーザーがBIM活用の実現までをサポートする「BIMのソリューションプロバイダー」へと進化することを掲げている。
「ドキュメンテーション」に関するアップデートでは、飯田氏は自動テキストがオプションで追加されたこと、複数ページのPDFを同時に取り込める機能を実装したことなどを挙げ、新機能により作業効率がさらに向上すると強調した。さらに、さまざまな情報をもつBIMデータから自分が必要なデータを簡単に選択できる機能が追加されたことも、ドキュメンテーションに関する改善を図ったとした。
「ビジュアリゼーション」について飯田氏は、「きれいなパーツを作るのに必要なのはマテリアル」と断言。Archicad 26で使用可能な数百を超える新しいマテリアルが、後述する同社のサービス「Graphisoft Forward」のサイトからダウンロード可能になったと報告した。さらに、高品質でリアルタイム性の高いレンダリング機能が追加されたこともアピール。新たにドイツのレンダリングソフトを販売する「Enscape(エンスケープ)」とのプロモーションを開始した以外に、Epic Gamesの「Twinmotion(ツインモーション)」やMAXONの「CineRender/Redshif」など、さまざまなレンダリングエンジンを選択できる環境を用意している。
「パフォーマンス」の機能拡充のポイントは、「Apple silicon(Appleシリコン)」へのネイティブ対応だという。飯田氏は、Macでのパフォーマンスが同社比で30〜50%のアップが見込めると話す。Windows版についても、15〜20%程度パフォーマンスの向上が見込まれ、速さをかなり実感できる仕様になったと自信を示した。
「コラボレーション」は、数年前から取り組んでいる構造機能の拡張が今回のアップデートでも行われた。具体的には、活荷重の自動作成や構造解析のパラメータ機能などが備わった。
また、「グローバルでありながらもローカルでもある」(ペーテル氏)が口にする会社の指針の通り、日本の仕様に合わせたアップデートも施した。例えば、Archicad 26には、建築構造分野で用いる日本国内向け標準フォーマット「ST-Bridge(STB)」のデータをもとに鉄筋情報なども含めた断面リストを自動生成するコマンドが加わった。
また、日本のArchicadユーザーの多くが木造建築物の設計に関わっている現状を踏まえ、インテグラルの「住宅性能診断士 ホームズ君構造EX」と連携して、中間ファイルを経由せずに直接データ連携する機能を追加し、中規模木造建物の構造計算が可能になっている。
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