積水ハウスの新築戸建てZEH比率は93%で過去最高、居住時のCO2排出削減量は109万t-CO2:ZEH
積水ハウスの新築戸建て住宅で、エネルギー消費が実質ゼロのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の比率が93%となり、2013年の取り組み開始以来で過去最高を更新した。
積水ハウスは、2022年度の新築戸建住宅でのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の比率が93%と過去最高を更新し、2023年3月末時点で累積7万6509棟となったと2023年4月24日に発表した。
戸建て、賃貸、分譲、リフォームの各領域でZEHを推進
積水ハウスがまとめた脱炭素社会の実現に向けた建物の種類ごとの取り組みと2022年度実績によると、戸建て住宅は住宅業界のZEHのけん引役として、2013年のZEH住宅ブランド「グリーンファーストゼロ」の発売から普及を推進し、2022年度のZEH比率は93%だった。
賃貸住宅でも、「シャーメゾン」などで入居者メリットの高い「入居者売電方式」で展開し、2025年のZEH比率目標75%に向けて取り組みを進めており、2022年度ZEH比率は65%で、受注戸数は1万5064戸だった。
分譲マンションでは、2023年以降に販売する「グランドメゾン」を全てZEH化。2022年度販売ベースのZEH比率は88.8%。
リフォーム分野では、「いどころ暖熱」環境配慮型リフォームを推進し、住宅業界の大きな共通課題だった既存住宅の脱炭素化に注力。2022年度の実績は1601戸となっている。なお、非住宅ではZEBを進めており、2022年度実績は89棟だった。
積水ハウスは、入居者の光熱費節約やエシカル志向に対応する入居者売電方式を標準とする「シャーメゾンZEH」の入居者232世帯を対象に、ZEHに関する意識の変化や生活実感についてアンケートで聞いた。
その結果、シャーメゾンZEHに住んで「非常に満足」「満足」と回答した世帯は合せて約9割となり、夏の室内環境についても約9割の世帯が快適に過ごしていると答えた。さらに2022年夏の電気代について聞くと、約7割が「電気代が安くなった」としている。
現在の住まいに満足している入居者に、今後もZEH仕様を希望するか聞いたところ、「そう思う」が30%、「ややそう思う」が48%と、約8割がZEH仕様の住宅を選びたいと考えている結果となった。
積水ハウスでは、入居者売電方式のシャーメゾンZEHでの居住経験は、賃貸住宅だけでなく、建売住宅や注文住宅のZEH化にも波及効果があることが分かったとコメントしている。
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