シールドトンネル坑内巡視点検で自律飛行型ドローンの実証実験:ドローン
センシンロボティクスは、清水建設と共同で建設中のシールドトンネル坑内における巡視点検業務に自律飛行型ドローンを活用する実証実験を実施。GNSSが受信できないトンネル坑内でも安定したドローンの自律飛行を実現、稼働中の現場でも点検業務に活用できるという。
センシンロボティクスは、清水建設と共同で建設中のシールドトンネル坑内における巡視点検業務に自律飛行型ドローンを活用する実証実験を実施した。GNSSが受信できないトンネル坑内でも安定したドローンの自律飛行を実現し、稼働中の現場でも点検業務へ活用できる。
シールドトンネルの現場は広大で、坑口から切羽までの距離は最大7キロメートルになる。工事が進むと坑口から切羽までの距離も伸び、点検時の巡視業務の負担が大きく、現場見学者向けの現場案内も負担となることが課題であった。
実証実験では、Skydio機専用のドローン基地「Skydio Dock」を使った自動飛行ルートの作成、およびクラウドプラットフォームを経由した自律飛行を行った。
AI、VisualSLAMによる自律飛行技術により、ベルトコンベアなど近づけない機器と一定の距離を保ちながら点検業務へ活用できる。また、遠隔でもリアルタイムに映像確認ができるため、休日や夜間巡視業務の代替や見学者向けの案内業務の工数削減にもつながるとしている。
2023年度は1台の試験導入を予定しており、効果が得られれば現場が延伸した際に台数を増やし、業務効率化を継続する。
同社は、過去5年にわたり完全自動運用型ドローンシステム 「SENSYN Drone Hub」を活用した自動運用を提供してきたノウハウを生かし、導入後の伴走支援を行い、利用価値を高めていく予定だ。また、Skydio Dockを同社の「SENSYN CORE」と連携させ、データ取得、管理、解析といった業務の自動化を実現する。
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