DJI JAPANの事例発表会にみるドローン活用の最前線―豊橋市の「レッドゴブリンズ」の事例など:ドローン(2/3 ページ)
ドローンが急激に普及する中、2022年は100グラム以上の機体登が義務化されるなど、とりまく環境にも大きな動きがあった。また、搭載するカメラやスキャナーの性能も向上し、ドローンの用途にも進化が起きている。
災害時の状況収集にドローンを活用
ドローン活用の例としては、まず愛知県豊橋市の事例を採り上げた。同市では、2017年に「RED GOBLINS(レッドゴブリンズ)」というドローン飛行隊を結成し、災害時の速やかな情報収集にドローンを活用している。
豊橋市には「鬼祭」という有名な祭がある。説明を行った豊橋市防災危機管理課 高橋拓也氏は、レッドゴブリンズという飛行隊の名前が、鬼祭の赤鬼のもとだと紹介した。
豊橋市では、2015年9月の台風により、鬼怒川の防波堤が決壊し、大規模な水害が発生した。このとき、災害状況を上空からスピーディーに把握する重要性を実感したという。ドローン導入の検討は、その際に開始した。
2017年に発足したレッドゴブリンズは、当初は、1機のドローンで運用を開始。しかし、高橋氏は発足当初から3班3機体制による運用を計画していたと説明する。豊橋市は、南海トラフ地震による被害が想定される地域でもある。もし災害が発生した場合は、その情報収集に最低でも3班の体制が必要と考えたという。
現在、レッドゴブリンズは3班31人の体制となり、機体も「Phantom 4 Pro」「DJI Inspire 2」「DJI Matrice 210 V2」「Mavic 2 Enterprise Advanced」などをそろえる。機体は、状況や目的に応じて使い分けられるが、赤外線カメラを搭載したMAVIC 2 Enterprise Advancedは優秀で、メイン機として活用されている。
MAVIC 2 Enterprise Advancedが使われることが多い理由には、機体のコンパクトさがある。災害状況の調査は、全体の被害状況が判明しない状況で始まる。このため、隊員はドローンを持って歩き回ることになる。高橋氏は、このとき、MAVIC 2 Enterprise Advancedのコンパクトさが役立つと説明する。
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