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過酷な塩害の那覇空港で防錆対策の高力ボルト用ヘッドキャップ採用:導入事例
共和ゴムの高力ボルト・超高力ボルト用ヘッドキャップが那覇空港で採用された。同社の防錆キャップは、既に錆びている高力ボルト・超高力ボルトのヘッド側に被せることで錆の進行を防ぐというもの。
共和ゴムの高力ボルト・超高力ボルト用ヘッドキャップが那覇空港で採用された。
沖縄は年間を通じて塩分を多く含む強い風が吹き、高温多湿な気候から「日本一過酷な塩害環境」と言われる。「インフラメンテナンス国民会議 沖縄フォーラム」では、架橋や横断歩道橋など県内の公的建造物が塩分によってさびる速度は、県外の太平洋沿岸部の約10倍、島根県や新潟県など日本海側沿岸部の約5倍に上ることが報告されていた。
同社の防錆キャップは、既に錆びている高力ボルト・超高力ボルトのヘッド側に被せることで錆の進行を防ぐというもの。本体はEPDMゴム製で、製品仕様は「六角ヘッドキャップ」と「トルシアヘッドキャップ」の2種類。さらに無塗装・メッキ仕様・塗装の3タイプを備える。製品同士は連結しているため、遅れ破壊(静的破壊)によるボルトの落下を防げる。また点検時に外し、再度装着できるようになっている。
同社は2023年1月に防錆キャップの製品化に成功。CCT試験(複合サイクル試験)200サイクルをクリアし、錆を防ぐ効果は実証済みであり、特許申請中とのことだ。
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